青野尚子の「今週末見るべきアート」|土木と遊ぶ!『土木展』 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

青野尚子の「今週末見るべきアート」|土木と遊ぶ!『土木展』

〈21_21 DESIGN SIGHT〉でこれまでにないストレートなタイトルの展覧会が始まりました。その名も『土木展』。マニアでなくても土木の面白さに引き込まれる、土木で遊べる展覧会です。

「土木展」会場風景。写真、映像、模型などさまざまな角度から土木の楽しさを教えてくれます。
土木というと自分たちからちょっと遠いような気がしませんか? それは土木がほぼ100%公共事業であること、都市部では橋やダムなどの目に見える土木を見る機会が少ないことが理由の一つだ。でも実際には都心でも、みんな土木の上で暮らしている。

「会場に来るまでに道路や電車や駅を通ってきたでしょう? それは全部土木なんです。トイレだって下水道がなければ使えません」と「土木展」ディレクターの西村浩は言う。
田中智之《渋谷駅解体》。A2サイズの紙に描いたものを10倍以上に拡大している。JR、東急線など複数の鉄道会社が乗り入れる渋谷駅には全体構成を示す図面が存在しないので、現地取材の上、各社のデータをつなぎあわせた。
というわけで展覧会はまず、都心の土木を見えるようにした作品から始まる。田中智之の巨大なドローイングは渋谷・新宿・東京駅を透明にしてホームや通路の構造がわかるようにしたもの。限られたスペースに線路や通路が網の目のように張り巡らされているのがよくわかる。ヤマガミユキヒロの作品は神戸の六甲山から見下ろした街並みと、隅田川から見上げた眺めを鉛筆で詳細にスケッチ、そこに実写の映像を重ねたものだ。私たちは土木の上で生きている。そのことを実感できる。