「地球に、ぽつん」を肌で感じる。マウントフジ設計のジオホテル〈Entô〉誕生。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

「地球に、ぽつん」を肌で感じる。マウントフジ設計のジオホテル〈Entô〉誕生。

島根半島から北へ約80km。日本海のはるか沖に浮かぶ隠岐諸島に7月1日、ジオホテル〈Entô〉がオープンした。日本で9か所あるユネスコ世界ジオパークの中でも、宿泊機能とジオパーク拠点機能が一体となった施設は初。ジオスケープの真っ只中に身を委ね、飾らない島の暮らしに触れる。いわゆる ”ラグジュアリー” とは一線を画す旅の“カタチ”がここにはある。

3階西端のスイートルーム〈NEST SU〉。大きな開口部の眼前に広がるのは、太古の火山活動によって生まれたカルデラ湾と外輪山の島々。かつて北前船の風街港として栄えた穏やかな海だ。photo_Kentauros Yasunaga
本土を離れてフェリーに揺られること3時間。見渡す限りの海の先に淡い島影が見えてきた。やがて船はいくつかの港を巡り、中ノ島海士町の菱浦港を目指す。その視線の先、右手に佇むのがジオホテル〈Entô〉だ。
フェリーから眺める〈Entô〉。海岸に沿って建てられており、船が進むごとにカタチを変えて見える。photo_Kentauros Yasunaga
〈Entô〉は別館〈NEST〉と本館〈BASE〉の2棟から構成されている。今回、新築となった部分の設計を手がけたのは、原田真宏+原田麻魚/マウントフジアーキテクツスタジオ。設計に当たって念頭に置いたのは、初めて島を訪れたときの印象だ。

原田が日常を送る東京・渋谷は人為的なものに溢れていて、屋外にいても常に室内にいる感覚が離れない。そんな中で遠く離れた海士町に来た時、初めて ”外” に出たような気持ちになったという。

「人為の外にある太古から続く世界に行ったような感覚。過去から続く時間空間に直接触れているようで感動しました」
かつての火山活動の激しさを物語る知夫里島の赤壁。
西ノ島。潮風を受ける崖上の草地で、放牧された牛馬がのんびりと草を食む。
西ノ島。外海に面した国賀海岸は激しい風雨にさらされ切り立った崖が続く。
島にあるのは、はるか昔から続く地球の胎動と、大地に育まれた生態系や自然環境、それらの中で紡ぎ出されてきた人の営み。360度あるがままの自然に囲まれた島のよさを生かすため、原田がたどり着いたのは “一本の線のような建築” だった。

「自然の微細な変化を感知できる基準線のような建物を作れたらと思いました。そうなると線は薄いほどよい。だから〈Entô〉は、奥行きが浅くて間口がとても広い。ジオパークの風景の中に浮かんでいるような気持ちで滞在できるんです」
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