直島の知恵から作った、風が抜ける〈直島ホール〉 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

直島の知恵から作った、風が抜ける〈直島ホール〉

中に入って見上げるとアニッシュ・カプーアのアートみたいにも見える建築が直島にできました。三分一博志が設計した〈直島ホール〉は自然の力で空調を促す建築。直島に伝わる、昔からの知恵が生きています。

南北に風が抜ける入母屋の屋根がある〈直島ホール〉。全体がなだらかな丘のよう。
〈直島ホール〉が作られたのは「瀬戸内国際芸術祭」の会場にもなっている直島の本村地区、石井和紘の設計で有名な直島町役場のすぐ近く。総ヒノキ葺きの屋根としてはおそらく世界でも最大級の大きさだ。巨大なアート作品のような内部は、これも日本最大級かと思われる漆喰塗りによるもの。白い漆喰が塗られた曲面に光が回って、距離感がわからなくなる。
天井には一面に漆喰が塗られた。上にある開口部から中の空気が引き上げられていく。中央はステージ。手前の客席は畳敷きにしたり、椅子席にしたりと自由に使える
設計した三分一博志は瀬戸内を拠点とする建築家。2011年には直島からほど近い犬島で廃墟となっていた製錬所を再生した美術館〈犬島精錬所美術館〉で日本建築大賞、日本建築学会作品賞を受賞している。
〈直島ホール〉は町民のための多目的施設。舞台があり、女性だけで人形を遣う直島独自の「直島女文楽」の公演やスポーツ・レクリエーションに使われる。広い床は畳を敷いたり椅子を置いたりと自由度が高い。