“動く素材”で建築をつくる、三分一博志インタビュー。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

“動く素材”で建築をつくる、三分一博志インタビュー。

〈直島ホール〉で話題の建築家、三分一博志。瀬戸内を拠点に活動する彼の個展が東京で開かれています。“動く素材”を使って建築をつくる、彼の方法論に迫ります。

TOTOギャラリー・間で開催中の『三分一博志展「風、水、太陽」』中庭のインスタレーション。吹き流しで風を、透明な箱で水の循環を可視化する。 © Nacása & Partners Inc.
建築といえば鉄やコンクリートなど“動かない素材”でつくるもの。でも三分一博志は“動く素材”と一緒に建築をつくるのだという。“動く素材”とは風や水、太陽のことだ。そのことが体感できるのが、会場の中庭につくられた“水庭”だ。水が張られた庭に吹流しが立ち、透明な箱が置かれている。
『三分一博志展「風、水、太陽」』会場風景。映像などで“動く素材”をどのように取り込んでいるのかを見せる。© Nacása & Partners Inc.
「都心ではわずかな風だと感じることができないかもしれませんが、吹流しを見ると風の方向や強さがわかります。透明な箱はガラスとアクリルの二種類。それぞれ違う波長の光を通すので、内部の温度が変わり、水滴のつき方などが変わります」

箱は、私たちが住んでいる地球の表現でもあると言う。

「私たちは地球という小さなケースの中で、動く素材を共有して生きている。そのことを実感して欲しくて、このインスタレーションをつくりました」
近作の一つ、〈宮島弥山展望台〉(広島県/2013年) 。 ©新建築社写真部
今回、個展のタイトルになっている“動く素材”である「風、水、太陽」の中でも、三分一は特に水に強い関心を寄せている。

「水ほど興味を惹かれる素材はありません。水は太陽という自然の力だけで、地球上で固体・液体・気体の三態をとるという珍しい性質を持っています。水は太陽の熱で温められて水蒸気になり、地上から空に昇っていく。つまり、太陽は1000mも水を持ち上げるポンプなんです。私たちはこんな“動く素材”の関係性の中で暮らしています。また、“動く素材”があるから環境のバランスが保たれる。建築はこのことを大切にすべきだと考えています」

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