日本を代表する建築を精緻な模型で観る。3会場で『日本のたてもの展』が開催中。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

日本を代表する建築を精緻な模型で観る。3会場で『日本のたてもの展』が開催中。

古代から現代までの日本を代表する建築の模型や資料を一堂に公開する、『日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵』が開催中。〈東京国立博物館〉(~2021年2月21日)、〈国立科学博物館〉(~2021年1月11日)、〈国立近現代建築資料館〉(~2021年2月21日)の3館合同展示となる。

首里城正殿1/10模型 1953年 沖縄県立博物館・美術館蔵 展示会場:東京国立博物館
木・草・土・石など多様な自然素材を優れた造形物へと昇華させた日本建築。その高い美意識と加工技術に着目した建築模型、図面、道具など貴重な資料を展示する『日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵』が、〈東京国立博物館〉〈国立科学博物館〉〈国立近現代建築資料館〉の3館で同時開催される。会期は〈東京国立博物館〉が12月24日~2021年2月21日、〈国立科学博物館〉が2021年1月11日まで、〈国立近現代建築資料館〉が2021年2月21日までの予定だ。

日本では法隆寺国宝修理事業の一環として、金堂および五重塔の模型を製作したことがきっかけとなり1960年から国の「模造事業」が始まった。1964年の東京五輪に併せて開催された「日本古美術展」にも、日本建築の様式を伝えるものとして模型が出展された。本展ではそれらの模型に加え、原建築が国宝・重要文化財である模型を核として、これまで一般に公開されることのなかった貴重な建築模型などを一堂に集めて展示。開催会場によって異なるテーマに基づき、柱や梁を組み上げ屋根を支える木組や建具など建築物の細部や、木材、漆喰、瓦など自然素材の持つ風合いを精巧に再現した1/10縮尺模型の展示をはじめ、木造建築を受け継ぐための伝統技術や工匠の技についても紹介する構成となっている。

●東京国立博物館 表慶館「古代から近世、日本建築の成り立ち」

法隆寺五重塔 1/10模型 1932 年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
唐招提寺金堂1/10模型 1963年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
東大寺鐘楼1/10模型 1966年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
東福寺三門1/10模型 1979年 国立歴史民俗博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
松本城天守1/20模型 1963年 東京国立博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
春日大社本社本殿1/10模型 1987年 国立歴史民俗博物館蔵 展示会場:東京国立博物館
〈東京国立博物館〉では文化庁が「模造事業」としてこれまで製作を行ってきた国宝・重要文化財の木造建造物の模型を展示。古代から近世までの日本建築の成り立ちを紹介する。特に自然素材の中で加工性に優れ強度が高い木材を四季に合わせて組み上げる「木組」をはじめ、檜皮葺や杮葺など自然素材を生かした伝統技法や知恵を模型を通じて鑑賞することができる。

●国立科学博物館「近代の日本、様式と技術の多様化」

第一国立銀行 1/50模型 国立科学博物館蔵 展示会場:国立科学博物館
帝国ホテル旧本館1/200模型 株式会社帝国ホテル蔵 展示会場:国立科学博物館
霞が関ビルディング 1/200模型 国立科学博物館蔵 展示会場:国立科学博物館
光の教会 1/10 模型 安藤忠雄建築研究所蔵 展示会場:国立科学博物館
京都迎賓館 1/100 模型 内閣府迎賓館京都事務所蔵 展示会場:国立科学博物館
明治時代になると、西洋建築の輸入によって煉瓦、コンクリート、ガラスといった新たな材料と意匠が現れる。それによって建築模型も様々なものが誕生した。〈国立科学博物館〉では、巨大化・複雑化する近代建築において、自然との調和や回帰を目指した多種多様な模型を紹介する。

●国立近現代建築資料館「工匠と近代化―大工技術の継承と展開―」

岩城庄之丈製図道具 明治時代 滑川市立博物館蔵 展示会場:国立近現代建築資料館
五十九銀行新築正面之図 1900年頃 青森銀行本店蔵 展示会場:国立近現代建築資料館
平安神宮 蒼龍楼・白虎楼立面図 1890年代 平安神宮蔵 展示会場:国立近現代建築資料館
〈国立近現代建築資料館〉では、ほかの2館で行われる展示を繋ぐものとして、大工技術を中心とした工匠の近代化について紹介する。さらにユネスコ無形遺産に登録された「伝統建築 工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」 にちなみ、近代に継承された大工技術に関する図面、模型及び大工道具なども展示。木造建築を受け継ぐための伝承者養成・技能錬磨・原材料や用具の確保など、近年の取組みについても幅広く知ることができる。

『日本のたてもの ―自然素材を活かす伝統の技と知恵』

「古代から近世、日本建築の成り立ち」
〈東京国立博物館 表慶館〉

東京都台東区上野公園13-9。12月24日~2021年2月21日。9時30分~17時(1月2日、1月8日〜9日を除く金曜・土曜〜21時)。月曜、12月26日~1月1日、1月12日休(1月11日は開館)。観覧料1500円。オンラインにて事前予約制。

「近代の日本、様式と技術の多様化」
〈国立科学博物館 日本館1階 企画展示室〉
東京都台東区上野公園7-20。~2021年1月11日。9時~17時(金曜・土曜〜18時)。月曜、12月28日~1月1日休(1月11日は開館)。観覧料630円。オンラインにて事前予約制。

「工匠と近代化―大工技術の継承と展開―」
〈国立近現代建築資料館〉
~2021年2月21日。
東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内。10時~16時30分。12月26日、12月27日、12月29日~2021年1月3日、1月9日〜11日休。入館無料(土日祝は〈旧岩崎邸庭園〉からの入館となるため、庭園入園料400円が必要)。

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