京都・祇園の泊まれる数寄屋〈そわか〉の建築を大解剖。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

京都・祇園の泊まれる数寄屋〈そわか〉の建築を大解剖。

元料亭の数寄屋建築を改修した本館に加え、モダンな新館も完成! 建築家と総支配人が語る、スモールラグジュアリーホテル〈そわか〉の魅力とは?

2019年3月にグランドオープンした〈そわか(SOWAKA)〉。元料亭の数寄屋建築をリノベーションした本館11室、和風の現代建築の新館12室。計23室がすべて異なるデザインという、趣向を凝らした客室が特徴だ。
〈そわか〉外観。
それぞれの客室の魅力や滞在のヒントを、設計を手がけた建築家の魚谷繁礼(うおやしげのり)と〈そわか〉総支配人の矢島泰介に聞いた。

「元々の料亭は、茶室研究で知られる中村昌生さんの著作『数寄屋建築集成』で詳しく紹介された名数寄屋建築です。そこで取り上げられている部分は、細部まで残すことにしました」(魚谷)

たとえば「108 ガーデンビュー スイート」では、七宝繋(しっぽうつなぎ)の模様がリズミカルに入った欄間、格狭間形(こうざまがた)の塗り縁の窓、格天井(ごうてんじょう)といった数寄屋の意匠が丁寧に残されている。
かつて「ほら貝の間」と呼ばれた「108 ガーデンビュー スイート」。七宝繋の透かし模様の入った欄間、格狭間形の塗り縁の窓、床など凝った意匠の数々が残る。長押(なげし)は北山丸太でこの長さのものは希少。
使われている素材や仕上げからは、料亭時代の部屋の格式がわかるそう。例えば、床柱の場合、格式が高い空間では柾目(まさめ)の角材が使われるが、磨き丸太、面皮柱(めんかわばしら)……と仕上げの加工度が低くなるほど、そこがカジュアルな空間であったことを意味する。しかし格式の高い空間がそのままラグジュアリーな部屋になるかというと、そうではない。

「例えば、『107 名栗壁(なぐりかべ)』のお部屋はかつて大広間で、格式の高い四方柾(しほうまさ)の床柱が立っています。しかしこの仕上げは宿の客室としては堅苦しい印象になるので、あえて存在感のある名栗壁のベッドボードを設えて柔らかさを出しています」(矢島)