Chill CARS|優雅さとおおらかさが同居する、英国の雄。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chill CARS|優雅さとおおらかさが同居する、英国の雄。

『カーサ ブルータス』2017年10月号より

初代《レンジローバー》の良さはそのおおらかさにある。自動車デザイナーは硬い鉛筆やボールペンでデザイン画を描くが、このクルマでは6Bをざくざくっと使ったように感じる。その印象はボディの「建て付け」から来るのだろう。

Land Rover Range Rover
初代《レンジローバー》の良さはそのおおらかさにある。自動車デザイナーは硬い鉛筆やボールペンでデザイン画を描くが、このクルマでは6Bをざくざくっと使ったように感じる。その印象はボディの「建て付け」から来るのだろう。

ボンネットをはじめ、ルーフ、側面のパネル、あらゆるところの合わせ目がかなり大きい。生産開始時、英国では工場の問題で精度の高い組み立てができなかったと聞く。そこで設計者のスペン・キングは、各パネル間のギャップ(専門用語で「チリ」と言う)をあえて大きくとる方式を採用した。多少ズレても誤差を吸収できるからだ。今やそれが良い個性に。英国の歴代首相が乗った《ローバー・P5》などを手がけた名設計者キングは、草葉の陰で驚いているのではないだろうか。

米〈インターナショナル〉社が61年に発表した4WD《スカウト》の影響を受けて開発された《レンジローバー》。トルクの太いV8エンジンに、ストロークの長いサスペンションも悪路走破性に寄与。革内装で高級感も盛り込んだことで、唯一無二のキャラクターとなった。

昨今では空力的(燃費効率的)にもチリをできる限り小さくする傾向にある。ドイツ車などは0・3mm程度だ。しかし、緻密さは息苦しさにもつながる。初代レンジローバーは場所によっては10mm超。今、このクルマが人気なのは、深呼吸のような気持ち良さがあるからかもしれない。
空調のスイッチなどは大きくてつまみやすく、正確な操作ができるようになっている。
窓枠のエッジを低くすることで、広い視界を確保することに成功した。
5ドア版が加わったのは1982年だが、荷室内に立てかけておくスペアタイヤの置き場などは変わっていない。
年を追うごとに豪華になり、93年にフル革内装の「ヴァンデンプラ」が加わった。
空調のスイッチなどは大きくてつまみやすく、正確な操作ができるようになっている。
窓枠のエッジを低くすることで、広い視界を確保することに成功した。
5ドア版が加わったのは1982年だが、荷室内に立てかけておくスペアタイヤの置き場などは変わっていない。
年を追うごとに豪華になり、93年にフル革内装の「ヴァンデンプラ」が加わった。
country: UK
year: 1970-94
seats : 5
size : L4,450×W1,820×H1,790mm
price: approx 5,000,000 yen
special thanks to Rangers(TEL 03 5768 5766), Sawaji Auto(TEL 0465 30 1555)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。