小柄なクルマに秘められた豊かな走り心地に驚く。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

小柄なクルマに秘められた豊かな走り心地に驚く。

後輪駆動の新しいルノー・トゥインゴに乗って向かうは、最高裁判所などを設計した岡田新一が晩年に手がけた図書館。運転の楽しさをたっぷりと味わって、東名道を走りました。

建物裏側の左端に「月」の塔。手前に流れる天白川に面した静かな佇まいだ。右奥の「明けの明星」までの間には中庭のテラスがあり、市民の憩いの場として図書館の特徴のひとつともなっている。
平坦な2階建ての四隅にカラータイル張りの塔が設けられ、遠くからでもよく目立つ。設計者の岡田新一は最高裁判所や警視庁庁舎などを代表作に各地の病院や学校などを手がけただけに、この図書館も内部は整然と機能的につくられていて、施主である市の意向と利用者の市民の思いを過不足なく実現していることが伝わってくる。四隅の色鮮やかな塔は、一目でわかるような強いシンボル性を、という市の強い依頼を受けた結果生まれたものだという。入口のすぐ隣には「太陽」を象徴する黄色の塔、建物正面を経て右端に「宵の明星」のグレー塔、建物裏側にも濃紺の「月」とグレーの「明けの明星」の2つの塔が配されている。天体のモチーフというのは、ギリシャの哲学やアラビアンナイトなど文化、教養の世界に似つかわしいのかもしれない。岡田は最高裁を設計する際に重厚な花崗岩を多用して威厳の象徴としたというが、ここでも図書館の象徴性を押さえていたわけだ。
一般開架室。トップライトから柔らかな光が入る。
月の塔の内部は学習室。取材時には受験を控えた中高生でいっぱいだった。