のんびりとした伊豆にもこんな幕末の軍需産業拠点が。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

のんびりとした伊豆にもこんな幕末の軍需産業拠点が。

2015年7月に「明治日本の産業革命遺産」のひとつとしてユネスコの世界遺産登録を果たした韮山反射炉。これだけの歴史の重みに張り合えるクルマは世界にただひとつ。

この煙突の周辺には大砲製造のための多くの工場棟が建ち並んでいたという。
江戸末期、幕府は欧米列強への備えとして海の守りを固めるため大砲の製造に乗り出した。その製砲工場がここ韮山に設けられ、この反射炉は原材料の銑鉄を純度の高い鉄にするための重要な施設であった。反射とは、銑鉄を溶かすために千数百℃の高温が必要で、炉内の熱を効果的に反射させ温度を上げるための工夫のことだ。つまり煙突よりも土台の部分こそが主役ということになる。世界遺産を目の前にひとつ残念だったのは、煙突の特徴的な金属枠がオリジナルではなく補強のために後から付けられたということ。ずっとこういうデザインだと思いこんでいたもので、ちょっと拍子抜けした。
ここで作った大砲は靖国神社に残されているのだそうな。
観光バスから見物客が降りてくると地元のガイドがわかりやすく説明してくれる。反射炉や大砲製造の話とともに彼らが特に強調するのがこれをプロデュースした江川英龍という人物についてだった。地元韮山の代官であり、蘭学に精通し、防衛、医療などマルチな分野に長けた逸材であり、同時に実行力にも優れていた。ひょっとすると、いつか小説やドラマでその名がブレイクするかもしれない。
これらの穴から精錬された鉄が流れ出してくる仕組み。