京都の伝統とモダンが融合するホテルへ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

京都の伝統とモダンが融合するホテルへ。

2017年9月に開業した滞在型ホテル〈ホテル ザ セレスティン京都祇園〉。その心地よさを夏目知道さん、夏目康子さん夫妻が体験しました。

●喧騒から隔絶された地下のロビー空間。

滞在そのものが目的となる「デスティネーション型ホテル」をコンセプトに誕生した新ホテルブランド〈ザ セレスティンホテルズ〉。中でも2017年9月7日に開業した〈ホテル ザ セレスティン京都祇園〉は、ホテル建設ラッシュに沸く京都でも、文化的な魅力と利便性を兼ね備えた好立地に誕生した注目の一軒だ。そこにインテリアデザイナーの夏目知道さん、PRファシリテーターの夏目康子さん夫妻が滞在。2人の“空間の目利き”に、このホテルはどう映るのだろう。
控えめな外観。暖簾のかかる小さな門をくぐり、車寄せを兼ねた深い軒下空間を抜けるアプローチの演出は、プライベートな邸宅のよう。
エントランスでは涼やかな水盤が出迎える。銅を金槌で叩いて整形した、三木瑛子によるアートワークだ。
控えめな外観。暖簾のかかる小さな門をくぐり、車寄せを兼ねた深い軒下空間を抜けるアプローチの演出は、プライベートな邸宅のよう。
エントランスでは涼やかな水盤が出迎える。銅を金槌で叩いて整形した、三木瑛子によるアートワークだ。
薄いブラウンの外壁と木製の格子に囲まれた外観は、全157室のホテルとは思えないほど控えめだ。しかし暖簾をくぐり、深い軒の奥にあるエントランスから館内に入ると、その印象は劇的に変わる。
地下1階のロビーは天井高6mの2層吹き抜け。大きな窓越しに庭が広がる、静謐な空間だ。館内外の植栽は、造園家の荻野寿也が手がけている。
「アプローチは天井が低く暗めですが、中に入ると一気に明るくなって、この世界に引き込まれました」と康子さん。康子さんがいう「この世界」とは地下1階ロビーのこと。

「一般的なホテルは館内に入ると天井が高くなるのですが、ここでは逆に天井はそのままで、床を下げることで空間に変化をつけていますね。また地下にもぐっているので、街中にありながら喧騒から隔絶された、静かなロビー空間が生まれていると思います」と知道さんは、ホテルデザインの定石をあえて外した空間構成に着目する。
存在感のあるロビー照明は、SIMPLICITYがデザインしたオリジナル。
ロビー奥にあるレセプションカウンター。着物を着たスタッフが案内してくれる。立体アートパネルは森下万里子による。
存在感のあるロビー照明は、SIMPLICITYがデザインしたオリジナル。
ロビー奥にあるレセプションカウンター。着物を着たスタッフが案内してくれる。立体アートパネルは森下万里子による。

●非日常的でありながら、くつろげる客室。

ロビーでのチェックインを経て、客室に向かう。宿泊するのはコンセプトルーム「セレスティンデラックス八坂」。5室あるスイートルームの1つで、デザイナーの緒方慎一郎が代表を務め、日本料理店〈八雲茶寮〉、和菓子店〈HIGASHIYA〉などを手がけるSIMPLICITYがインテリアデザインを行っている。
コンセプトルーム「セレスティンデラックス八坂」。2面開口の明るい客室に、大きなテーブル、伊達冠石の天板を持つカウンター、ベッド2台がゆったりと並ぶ。
この部屋ならではのサービス、お茶のおもてなし。京都のお茶の専門店〈一保堂茶舗〉の茶葉5種から好みのものを選ぶと、客室係が丁寧にお茶を煎れてくれる。
コンセプトルーム「セレスティンデラックス八坂」。2面開口の明るい客室に、大きなテーブル、伊達冠石の天板を持つカウンター、ベッド2台がゆったりと並ぶ。
この部屋ならではのサービス、お茶のおもてなし。京都のお茶の専門店〈一保堂茶舗〉の茶葉5種から好みのものを選ぶと、客室係が丁寧にお茶を煎れてくれる。
白い壁や天井は左官仕上げで、角にアールがついているためか、部屋全体がふんわりと明るい。

「着いた瞬間、ほっとする空間ですね。玄関で靴を脱ぐ構成もうれしい。ホテルらしい非日常感は保たれているのに緊張感は感じさせず、寛げます」と康子さん。
夏目夫妻が絶賛する、ユニットバス、トイレ、洗面カウンター、クローゼットが一体となった空間。ベッドルームとは障子の引き込み戸で隔てられている。
この部屋の居心地のよさを支えているのが、水まわりと一体となったクローゼットの存在。「身支度に必要な機能がまとまっていて、スーツケースも広げられるので居室を散らかさず過ごせていいですね。一般的なスイートルームは居間と寝室が完全に別室になっていますが、ここは居間、寝室、クローゼットがゆるやかにつながっているので使いやすい」と康子さんは、人の過ごし方を丁寧に想像して整理し直した計画を評価する。