DESIGN
古民家ギャラリーで、陶芸家・内田鋼一の作品に触れる。
June 19, 2018 | Design | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa
三重県四日市市にアトリエを構える、人気陶芸家の内田鋼一の個展が〈ギャルリ百草〉にてスタートした。
国内外で活躍する陶芸家であると同時に、蒐集家としても知られる内田鋼一氏は、2015年、三重県四日市市に、萬古焼を紹介する私設ミュージアム〈BANKO archive design museum〉をオープン。精力的に企画展を催し、キュレーターとしても活躍している。食器づくりのほか、茶道具や家具、オブジェなど、幅広い作風で知られる作陶にミュージアムの運営も加わり、さらに活動の場を広げている注目のアーティストだ。
萬古焼とは、東海道沿線に位置し、文化や流通のかなめだった四日市で、江戸中期に桑名で豪商・沼波弄山が起こし、明治時代に産業として発達した焼きもののこと。歴史は浅く、知名度も決して高くないが独自のオリジナリティを有し、1979年には「四日市萬古焼」として伝統工芸品の指定を受けた。また、現在、全国の土鍋の約80パーセントに萬古焼が採用されている。
今回の個展には、茶碗、花器、立体作品、鉄錆膳、オブジェ、鉄製の立体作品《スウィングチェア》などが展示・販売されている。会場となるのは、JR多治見駅より車で約10分の場所に位置する〈ギャルリ百草〉。名古屋市鳴海から移築した、約100年前の民家をリノベーションしたギャラリーで、土間・板の間・畳の部屋・縁側・床の間などの生活空間を使って展示を行っているのが特徴だ。素材感の感じられる、プリミティブな作風で知られる内田氏の作品が、古民家のギャラリーを舞台にどのような輝きを放つかにも注目したい。
また、併設のカフェでは同企画展限定ランチメニューとして、「たっぷり野菜のビピンパ丼」のセットを用意しているほか、BANKOカフェ製のジャムの販売も行っている。
また、併設のカフェでは同企画展限定ランチメニューとして、「たっぷり野菜のビピンパ丼」のセットを用意しているほか、BANKOカフェ製のジャムの販売も行っている。
『内田鋼一展』
〈ギャルリ百草〉