ART
京都・清水寺で、柿本ケンサクによる「時間」をテーマに今を見つめる展覧会が開催。
June 16, 2022 | Art, Travel | casabrutus.com | text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano
2012年から、〈FEEL KIYOMIZUDERA〉という名のもと、アートや写真、舞踏、音楽イベントといった、さまざまな表現を通して“祈りの場”を創出する取り組みを続けている、京都の〈音羽山清水寺〉。そのプロジェクトとして、映像作家であると同時に、広告写真やアーティストのポートレートなども手掛けてきた、柿本ケンサクが新作展を開催します。
〈音羽山清水寺〉開催の『FEEL KIYOMIZUDERA』とは、言語、人種、文化などの垣根を越えた前衛的な表現を通じ、祈りに対する新解釈や視点を発信して、未来の仏教寺院の在り方を模索するプロジェクトだ。
そのプロジェクトに関する今回の展示にあたり、柿本が掲げたテーマは「時間」。“今この一瞬を生きている”という概念を表現したいと、作品作りに向き合った。その底辺にあるのは、溢れかえった豊かさという情報群に揺らぎ、惑わされて、自ら気付かない間に見えなくなってしまう現代だからこそ、「豊かさを削ぎ落として、本当に大切なことを抽出する必要がある」との思い。それが、今回の作品を生み出す衝動になっている。
そのプロジェクトに関する今回の展示にあたり、柿本が掲げたテーマは「時間」。“今この一瞬を生きている”という概念を表現したいと、作品作りに向き合った。その底辺にあるのは、溢れかえった豊かさという情報群に揺らぎ、惑わされて、自ら気付かない間に見えなくなってしまう現代だからこそ、「豊かさを削ぎ落として、本当に大切なことを抽出する必要がある」との思い。それが、今回の作品を生み出す衝動になっている。
本展覧会には3つの新シリーズが登場する。その一つ『TIME』シリーズは長年の旅を経て、地球にたどり着いた光の旅と時間を1枚のフィルムに閉じ込めた。一度は写真として切り取られて止まった光の旅を清水寺の西門に掲げ、注ぎ込む夕陽を取り込んで撮影。まさに、再び動き出した光を捉えた作品と言える。
〈KAN-NON〉は、清水寺のご本尊『十一面千手観音菩薩』をモチーフにした新シリーズ。11の女神像のポートレートの額に、西門に差し込む西陽を通過させて再撮影。さらに清水寺の庭園の風景と共に、それらの女神を撮影した。
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