VEHICLE
Chill CARS|コンパクトなボディに多様な性能が詰め込まれた、潔いクルマ。
『カーサ ブルータス』2020年11月号より
October 12, 2020 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
ハッチバック車は、荷物を効率よく積めて利便性が高い。〈ルノー〉はその先鞭をつけたメーカーのひとつで、1961年には早くも《4》というテールゲート付き小型車やミニバンの始祖《エスパス》などを輩出している。
1992年登場の小型ハッチバック車《トゥインゴ》は、ボンネットとフロントウィンドウの角度を揃えた、ワンモーションフォルムを採用。エンジンを前方に押し込んだことで広い室内も実現した。そして《トゥインゴ》が外観以上に斬新だったのは、全長3・4mの小さなクルマに、最大限の多用途性を持たせたことだった。その例が、ミニバンやワンボックスカーでなければ実現しなかったシートアレンジだ。後席の足元を拡大できるスライド式リアシートを備え、フロントシートを後ろに倒すことで、フロント・リアシートをフラットな状態にできる。
このように様々なアイデアを詰め込んだ《トゥインゴ》は、新しい時代に向けた新しい小型車という、重要な使命が与えられていた車種でもあったのだ。背負った責任の重さと、ファニーな丸いヘッドライト・雲
模様のシートなどとのギャップも面白い。
小型車も背の高い車種が多い現代だが、低い車高で多用途性を求めた《トゥインゴ》の考え方は古びておらず、逆に新しさすら感じる。シンプルな内外装や潔く少ない装備も心地よい。二度と出現し得ない小型車として、改めて見直したい。
このように様々なアイデアを詰め込んだ《トゥインゴ》は、新しい時代に向けた新しい小型車という、重要な使命が与えられていた車種でもあったのだ。背負った責任の重さと、ファニーな丸いヘッドライト・雲
模様のシートなどとのギャップも面白い。
小型車も背の高い車種が多い現代だが、低い車高で多用途性を求めた《トゥインゴ》の考え方は古びておらず、逆に新しさすら感じる。シンプルな内外装や潔く少ない装備も心地よい。二度と出現し得ない小型車として、改めて見直したい。
country: France
year: 1992-2007
seats: 4
size: L3,430×W1,630×H1,420mm
price: approx 600,000 yen
special thanks to Toru Tokuda
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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