FOOD
小寺慶子のレストラン予報|代々木上原〈喜わ〉
『カーサ ブルータス』2020年6月号より
July 5, 2020 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Kayoko Aoki text_Keiko Kodera
軽やかな天ぷらに昇天気分を味わえるでしょう。
天ぷらの語源には諸説あるが、ポルトガル人宣教師によって日本に伝えられたのは有名な話。それを世界に誇る「和食」として見事に昇華したのは、職人たちの繊細な仕事と技術の賜物にほかならない。
代々木上原にオープンした〈喜わ〉は店主の友利真一さんの研ぎ澄まされた技を堪能できる天ぷら店。都内の有名店で13年間働き、そこで培った技が発揮された天ぷらは、羽衣のようにふわりと軽い食感が持ち味だ。卵水の卵を極限まで少なくし、非加熱の太白油を多めにブレンドした揚げ油を使用することで、食材の風味を最大限に引き出している。通常よりも若干高めの温度で揚げると油切れがよくなるため、敷き紙を見ても油にじみがなく、口当たりはどこまでも軽やかだ。鰹の一番出汁を使った天つゆや沖縄の屋我地の塩もその風味を引き立てる。
海老はすこやかに甘く、穴子はしなやかな野性味がある。合間に変わり種をはさんだコースは12,000円からと良心的。無駄のない端正な味わいに日本の職人技をしっかりと感じることができる。
代々木上原にオープンした〈喜わ〉は店主の友利真一さんの研ぎ澄まされた技を堪能できる天ぷら店。都内の有名店で13年間働き、そこで培った技が発揮された天ぷらは、羽衣のようにふわりと軽い食感が持ち味だ。卵水の卵を極限まで少なくし、非加熱の太白油を多めにブレンドした揚げ油を使用することで、食材の風味を最大限に引き出している。通常よりも若干高めの温度で揚げると油切れがよくなるため、敷き紙を見ても油にじみがなく、口当たりはどこまでも軽やかだ。鰹の一番出汁を使った天つゆや沖縄の屋我地の塩もその風味を引き立てる。
海老はすこやかに甘く、穴子はしなやかな野性味がある。合間に変わり種をはさんだコースは12,000円からと良心的。無駄のない端正な味わいに日本の職人技をしっかりと感じることができる。
小寺慶子
こでらけいこ 肉を糧に生きる肉食系ライターとして雑誌やWebに執筆。ダイエット再開を試みるもテイクアウトの誘惑に負け気味。イチオシは〈肉匠 堀越〉のばらちらし。