ARCHITECTURE
こんなお寺見たことない! 石上純也に師事した若手ユニットの作品がお披露目。
January 30, 2020 | Architecture, Art, Design | casabrutus.com | text_Housekeeper
三重県にある〈善西寺〉では、石上純也に師事した若手ユニット〈KASA〉による建築プロジェクトが進行中。その模型・ドローイングの展覧会が善西寺の本堂内で始まる。
お寺と人々の距離を縮めるべく、三重県桑名市にある善西寺で大規模な建築プロジェクトが始まった。
デザインを手がけるのは、KOVALEVA AND SATO ARCHITECTS、通称〈KASA〉。
石上純也に師事した、アレクサンドラ・コヴァレヴァと佐藤敬が2019年に立ち上げた気鋭の建築家ユニットだ。今回の模型・ドローイングが、進行中のプロジェクトを表彰する『SDレビュー』で「鹿島賞」に輝いたことからも注目を集めている。
デザインを手がけるのは、KOVALEVA AND SATO ARCHITECTS、通称〈KASA〉。
石上純也に師事した、アレクサンドラ・コヴァレヴァと佐藤敬が2019年に立ち上げた気鋭の建築家ユニットだ。今回の模型・ドローイングが、進行中のプロジェクトを表彰する『SDレビュー』で「鹿島賞」に輝いたことからも注目を集めている。
「蓮のある風景」と題したこのプロジェクトの舞台は、〈善西寺〉の山門の手前。
蓮の池という、誰にでもわかりやすくシンプルで、仏教的にも重要なアイコンがモチーフだ。大きな2つの蓮の葉が寄り添い合っているような屋根を架け、これまでのお寺のイメージを覆す新しいお寺の建築を創造する。
蓮の池という、誰にでもわかりやすくシンプルで、仏教的にも重要なアイコンがモチーフだ。大きな2つの蓮の葉が寄り添い合っているような屋根を架け、これまでのお寺のイメージを覆す新しいお寺の建築を創造する。
山門、鐘楼、本堂と呼応する屋根の連なりに近づくと、のれんのような透過性のある空間が現れる。屋根を通した美しい光と影が床一面に落ち、幻想的な風景を作り出す。門前の長屋で葬儀が行われる傍ら、大きく広がる蓮の葉の中はまるで極楽浄土だ。
「仏教に馴染みのない方や外国から来た方でも直感で理解でき、来たくなるような場所になるといいですね」と、このプロジェクトの発起人である住職は語る。開かれたお寺をめざす〈善西寺〉に人が集まる新たな動線を生む、いわば“お寺ルネサンスプロジェクト”の象徴だ。
「仏教に馴染みのない方や外国から来た方でも直感で理解でき、来たくなるような場所になるといいですね」と、このプロジェクトの発起人である住職は語る。開かれたお寺をめざす〈善西寺〉に人が集まる新たな動線を生む、いわば“お寺ルネサンスプロジェクト”の象徴だ。
仏教の大切なモチーフを根幹にしつつ、従来の慣習や方法にとらわれない設計は、お寺のように敬遠されがちな歴史的、宗教的建築の理想と言えるだろう。石上のスピリットを受け継いだ2人の、アイデアの全貌が見られる貴重な機会。ぜひ足を運んでみてはいかが。
『SDレビュー2019最優秀「鹿島賞」凱旋展覧会〈蓮のある風景〉』
〈浄土真宗本願寺派 走井山 善西寺 本堂〉
三重県桑名市西矢田町27-2。2月1日〜3月29日。10時〜16時。無休。入場無料。