FOOD
小寺慶子のレストラン予報|神保町〈アルテレーゴ〉
『カーサ ブルータス』2019年5月号より
April 9, 2019 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Kayoko Aoki text_Keiko Kodera
アルコールにティー、ジュースなど、ペアリングメニューにも力を注ぐ店が増えるなか、コースのスターター以外のすべての料理にスープを合わせるレストランが登場し、話題を集めている。
ミラノの1ツ星〈Ristorante TOKUYOSHI〉のオーナーシェフ、徳吉洋二シェフが手がける店の名は〈アルテレーゴ〉。イタリア語で"分身"を意味する新店では、徳吉シェフも全幅の信頼を置く平山秀仁さんが調理場を取り仕切る。
コースの最初に登場するのは、米粉とポレンタで作る軽やかな生地に具材をのせピザに見立てたひと皿(箱!?)。鮪のヅケと24か月熟成の生ハムの皿などにも合わせの妙が光るが、料理とともに供されるスープは、ときにソース的な役割を、ときに次の料理へのつなぎ役となりコースの楽しさを増幅させる。料理とシンプルながら味わい深いスープを"口内調理"することで、旨みや滋味がよりくっきりと。食材の個性を見極めた料理、陽気で楽しい演出の根底にあるのは、紛れもないイタリアンのDNAだ。
コースの最初に登場するのは、米粉とポレンタで作る軽やかな生地に具材をのせピザに見立てたひと皿(箱!?)。鮪のヅケと24か月熟成の生ハムの皿などにも合わせの妙が光るが、料理とともに供されるスープは、ときにソース的な役割を、ときに次の料理へのつなぎ役となりコースの楽しさを増幅させる。料理とシンプルながら味わい深いスープを"口内調理"することで、旨みや滋味がよりくっきりと。食材の個性を見極めた料理、陽気で楽しい演出の根底にあるのは、紛れもないイタリアンのDNAだ。
小寺慶子
こでらけいこ ファッション誌、レストラン誌などの編集を経て、フリーのライターに。好きな食べ物は1にも2にも肉料理。塊肉を見ると反射的にアドレナリンが放出!