パリそのままの味、銀座〈レフ アオキ〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

パリそのままの味、銀座〈レフ アオキ〉|寺尾妙子のNEWSなレストラン

パリで13年間、オーナーマダム&シェフとして活躍した青木姉弟が銀座にフレンチレストラン〈LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)〉をオープン。有名シェフからの信頼が厚い精肉店〈サカエヤ〉黒毛和牛のステーキ、そして独創的なマグロ料理は必食!

ディナーコースのメインは滋賀・南草津にある精肉店〈サカエヤ〉の黒毛和牛のステーキ。以下、料理はすべて20,000円のディナーコースより。
マカロニグラタンはお代わり自由。
「鹿児島産 黒毛和牛のロティ,マカロニグラタン」。きのこのソテー添え。
〈LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)〉はフランス語で「青木きょうだい」。オーナーである青木三代子と誠の姉弟がそれぞれマダムとシェフを務める。二人の実家が〈銀座 鮨青木〉であることから、魚が主役かと思いきや、おまかせコースのメインはステーキ。そして「ここはパリ?」と錯覚するほど、どの皿も現地の味そのまま! パリに行きたい、けどなかなか行けない。そんな“パリ不足”解消にもってこいの店がここなのだ。
「小鳩のむね肉とフォアグラのキャベツ包み、根セロリのピューレ」。フォン・ド・ヴォーにオレンジの果汁と皮を加えたほろ苦いソースを添えて。
「チコリーとスカンピーの温かいサラダ,キャビア添え」。弾力のある圧縮キャビアのスライスと手長海老の甘みがマッチ。
それもそのはず、オーナーの青木姉弟は13年間、パリ・北駅のある界隈で地元の人々に愛されるレストランを営んでいたのだから。東京では昼はプリフィクスで3〜5品、夜はおまかせコースで8〜10皿の構成だ。

「銀座でのメインは牛肉ありき。姉と2人でいろんな肉を試して、フランスの肉に近いものを探しました。その結果、たどりついたのが〈サカエヤ〉の黒毛和種経産牛だったんです。霜降りだけど、脂が肉の旨味を邪魔せず、味があるんです」(誠)

コクがあるのにサラッとした後味のサーロインはシェリービネガーソースとの相性も抜群だ。この前に魚料理を挟み、山ウズラや鹿などのジビエを含め、牛以外の肉料理もオンメニューされているのが心にくい。
「ディルをまとったマグロのたたき、那須のカネロニ,赤ピーマンのクーリー」。カレーに欠かせないスパイス、クミンを効かせた赤身はクセになりそうな不思議なおいしさ。
アミューズブッシュは鶏レバーペースト。さっそく赤ワインが欲しくなる。
「エスカルゴのコロッケ、セップ」。下にガチョウ脂で炒めた玉ネギが。フランスの松茸と呼ばれるセップ茸と合わせた香り高い一品。
「トリップ(はちのす)のノルマンディー風,サンジャック添え」。サッと蒸したホタテと、グミのようなトリップの食感の差が楽しい。
もちろん、魚にもこだわる。姉弟、2人とも実家の〈銀座 鮨青木〉でも修業経験がある上、オープン前の3〜4ヶ月は家業を継ぐ兄弟、利勝と一緒に豊洲市場にも通ったという。

10月某日、前菜として出されたマグロも誠の手にかかれば、たちまちパリっぽい仕上がりに。ひと切れはクミンとディルをまとったたたき、端っこはナスと合わせたコンフィ。どちらも赤身の魅力満点。そして、新しい表現に目からウロコが落ちる。

ほか、トリップの煮込みにホタテを合わせた一品など、独創的な前菜が続く。
「洋梨のコンポート,温かいチョコレートのソース,ヨーグルトシャーベット」。黒胡椒、丁字、ジュニパーベリー、シナモン、オールスパイスといった黒い香辛料を加えて煮込んだ洋梨はエキゾチックな味わい。
クレームシャンティを添えた「ラム酒のスポンジケーキ」。ハードボイルドなデザート。
プティフール、食後のドリンク付き。驚くほど軽やかな食感の焼き立てマドレーヌも感動。
デザートはフランスのレストラン定番の2種類。黒胡椒やジュニパーベリーなどが香る洋梨のコンポートもいいが、アルコールに目がない向きはラム酒たっぷりのケーキをぜひ。
青木誠、オーナーシェフ。1969年、東京生まれ。〈帝国ホテル〉〈ロオジエ〉〈銀座 鮨青木〉、パリ〈ルカ キャルトン〉などでの修業を経て、2006年〜2019年まで自身の店〈レストラン マコト アオキ〉で腕を振るう。2021年9月〈レフ アオキ〉オープン。
カウンター10席。クリスマスには特別メニューを提供予定。
右/青木三代子、オーナーマダム。1963年、東京生まれ。〈銀座 鮨青木〉を経て渡仏。〈ウストー ド ボーマニエール〉〈ミシェル ロスタン〉などでの修業を経て、2006年〜2019年まで自身の店〈レストラン マコト アオキ〉で接客を担当。2021年9月〈レフ アオキ〉オープン。
長年、パリジャンたちに親しまれたシェフの料理は、最初に出てくる鶏のレバーペーストからして、パリそのもののテイスト。飛行機に乗らずして、本場そのもののフランス料理を堪能できる一軒は貴重である。

〈LES FRÈRES AOKI(レフ アオキ)〉

東京都中央区銀座3-12-6 1F TEL 090 2101 3959。12時〜13時30分LO、18時30分より一斉スタート。月曜休。料理はコースのみ。ランチ3,500円、5,500円。ディナー2万円のおまかせコースのみ。ディナーのみサービス料10%別途。ワインはグラス1,000円〜、ボトル6,000円〜。2021年9月オープン。

寺尾妙子

てらおたえこ  食ライターとして雑誌やWEBで執筆。好きな食材はごはん、じゃがいも、トリュフ。現在、趣味の茶の湯に邁進中。

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