坂 茂設計の宿ではじまった食プロジェクト。第一弾は冷水希三子の朝食です。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

坂 茂設計の宿ではじまった食プロジェクト。第一弾は冷水希三子の朝食です。

昨年、長野県・軽井沢町にオープンした全10室のブティック・リゾート〈ししいわハウス〉。”サステナブル”をキーワードにスタートした食の企画、第一弾は料理家・冷水希三子さんによる朝食プロジェクトです。

〈Shishiiwa Kitchen〉のプロジェクトの1つ、冷水希三子さんの朝食。
都心から新幹線で約1時間。リゾート地・別荘地として人気が高い長野県の中軽井沢エリアに、昨年、坂 茂設計の宿〈ししいわハウス〉がオープンした。

軽井沢の豊かな景観を守るため、木々の間を縫うように設計された、曲線が印象的なデザイン。この周囲の木々が緑の壁となり宿に静けさを与え、3つのテラス・ヴィラ内全10室という贅沢なつくりの宿を、さらにエクスクルーシブなものにしている。
木々に溶け込むようなデザインの〈ししいわハウス〉。
「グランド・ルーム」を外側から。屋根の曲線が美しい。
部屋からも軽井沢の豊かな自然が望める。夜は虫の音を聞きながら眠りにつき、朝は鳥の声で心地よく目覚める。
到着したゲストは、まず「ライブラリー」でチェックイン。高い天井に、三角屋根に沿ってリズムよく配置された垂木が印象的だ。ここでは建築・デザインに関連する本を自由に読むことができ、国内最大級の木枠のガラス扉からは四季折々の景色を楽しめる。

中庭に直結した「グランド・ルーム」は、メインダイニングであり、3つのヴィラのハブ的役割を果たす場所でもある。”プライベートな空間で過ごすだけでなく、地域社会や様々な人と繋がる機会を提供したい”とオーナーが掲げた「ソーシャル・ホスピタリティ」の概念を最も体感できる場所だ。
チェックインが行われる「ライブラリー」。
レセプション横には坂がデザインした《PAPER TALIESEN》が。
この「グランド・ルーム」を中心に今後も様々な企画が予定されているが、その食部門を担うのが「Shishiiwa Kitchen」。”サステナブル”をキーワードに、地域社会と協力してゲストに新たな味わいを提供するプロジェクトだ。その第一弾となるのが、料理家・冷水希三子さんが監修する朝食だ。

日本の優れたデザインや一流のクリエイティブを体験できる場所としてオープンした〈ししいわハウス〉。坂 茂がつくりあげたオーガニックな空間に合う味とは? オーナーが惚れ込んだのは、地域の特色ある素材をじっくりと吟味し、その素材が持つ力を余すところなく表現する冷水さんの料理だった。
「グランド・ルーム」。坂は「温もりのある雰囲気と統一感を生み出すために、ホテル主要部の素材には木材を選んだ」という。
共にいる人と語らい、様々な知見を得られる場所としてデザインされた「グランド・ルーム」。
例えば、最初に提供されるバターナッツスクワッシュのポタージュ。口に含んだ瞬間に広がる優しい甘みが特徴的だが、味付けは煮込んだタマネギを加えただけ。オーガニックのバターナッツスクワッシュそのものの味とコクを存分に味わえる一品だ。また、長野県産の山くるみと干しぶどう、軽井沢浅間山麓高原のアカシアはちみつを使ったシリアルが楽しい食感をプラスし、砕いたカカオニブの香りがアクセントになり、最後の一滴まで飽きさせない。

次の一皿も、心から”軽井沢らしさ”が感じられる。野菜はすべて〈軽井沢さらだファーム〉もしくは〈アグリイズム〉から届く地産のもの。ときには冷水さん自身が畑に赴き、採ってくることもあったという。また、近隣〈松澤農園〉のりんごはジャムやドレッシング、手作りのマスタードにふんだんに使われる。このように、素材はすべて冷水さん自身が訪ねて、食べ、納得したものだけを取り入れているのだ。

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