【独占取材】Apple Watch Hermès 夢のコラボレーションはどのように誕生したのか? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

【独占取材】Apple Watch Hermès 夢のコラボレーションはどのように誕生したのか?

全くの異業種と思っていたアップルとエルメス。しかしそこには、知れば納得の共通点があった。それは、究極のもの作りを求める飽くなき姿勢だ。全世界が注目するアップルの製品発表会。9月9日にサンフランシスコで開催されたイベントにおいて、異彩を放つ新製品が発表された。

《Apple Watch》と、世界最高峰のクラフツマンシップで他の追従を許さないエルメスとのコラボレーション。一切のコラボを行ってこなかったに等しいアップルと、エルメスという組み合わせは衝撃と共に、ある種の共感を持って受け入れられていた。全くの異業種でありながら、妥協のないもの作りという共通の姿勢を持つ両者の組み合わせを、世界は一瞬にして理解したからかもしれない。

発表会の後、エルメスのアーティスティック・ディレクター、ピエール=アレクシィ・デュマ氏とアップルのデザイン部門のトップ、ジョナサン・アイブ氏に聞いた。
—まずは両者にとって、互いのブランドの印象はどんなものだったのでしょうか?

ジョナサン・アイブ(以下I) 私は、エルメスが長年にわたって行ってきた美しい製品作りに畏敬の念を抱いてきました。どんな人がそのプロダクトを作ったのか知りたいと思い、私は古いエルメスのプロダクトを集めるようになりました。そして、この会社は妥協を一切拒否し、素晴らしいプロダクトを生み出そうとしていると感じました。ピエール=アレクシィと実際に出会う前にすでに彼の仕事を通じて、私は彼のことをよく理解していたとも言えます。

ピエール=アレクシィ・デュマ(以下D) アップルの製品を使うようになって以来、私が気づいたのは日本の工芸品に見られるような非の打ちどころのない品質の追求と管理です。アップルはテクノロジーのみが語られるその業界において、そのような工芸品を生み出すことを成し遂げました。しかも、そのプロダクトは我々の生活そのものを変えました。そしてさらに、挑戦を重ねていく。すでに完璧に見えるものをどうやったらよりよくできるのか? その執念のような考えを私は理解することができました。なぜなら私も同じような環境の中で育ったからです。

11歳から15歳の間、私は毎週水曜日にエルメスの工房に通い、もの作りだけでなく、その価値観についても学びました。エルメスをただラグジュアリーブランドだと思っている人たちは私たちのことを本当に理解していません。我々はラグジュアリーブランドではないのです。我々はただ品質に異常なまでにこだわり、そしてその顧客に対して細心の注意を払うだけです。そして辺りを見渡したときに、突如現れたアップルを仲間として見つけたのです。このブランドはまだ若いが、素晴らしい創業者と偉大な歴史を持っています。そして今も我々と同じような考えを持つ者たちによって運営されています。アップルは工芸をハイテクという知識をもって行っているのです。
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