DESIGN
エレガントな磁器を、日常に。ピエール・シャルパンが考える新しい有田焼。
November 3, 2018 | Design | casabrutus.com | photo_Akihide Mishima text_Hisashi Ikai
有田焼の新しい形を追求するブランド〈1616/ arita japan〉から、フランス人デザイナー、ピエール・シャルパンが手がけた新シリーズ《PC “Outline”》が販売される。
日本における磁器発祥の地として知られる佐賀県の有田町。この地で400年以上にわたり培われた技術と知識を、次なる時代へと紡ぐために、2012年にスタートしたブランドが〈1616/ arita japan〉だ。柳原照弘によるクリエイティブディレクションのもと、確かなものづくりの技に加え、現代の多様な食生活や生活環境にもマッチする“新しいスタンダード”を提案し、高い評価を得てきた。
柳原照弘、ショルテン&バーイングスが手がけたコレクションに加え、今回第3弾として追加される《PC “Outline”》シリーズ。デザインを担当したのはフランスのデザイナー、ピエール・シャルパン。アレッシィ、エルメス、リーン・ロゼなど、ヨーロッパを代表する有名ブランドとコラボレーションを行う一方で、パリのデザインギャラリー、ギャラリークレオからアート性の高いリミテッドエディションを発表するなど、その活動領域は幅広い。そんなシャルパンが、今回のプロダクト開発で注目したのは器のエッジの形状と、カラフルながらも穏やかな印象を与えるパターンだ。
「既成のシリーズを参照しながら、それらと重複しないアプローチを求めつつ、古典と現代が共存するようなバランスを細かく考えていきました」と説明するシャルパン。
「既成のシリーズを参照しながら、それらと重複しないアプローチを求めつつ、古典と現代が共存するようなバランスを細かく考えていきました」と説明するシャルパン。
彼は、器単体としての見た目の美しさだけでなく、日常の食卓で使うときの機能性や、料理を盛り付けた様子もデザインの要素に取り入れたという。過去にはフランスの高級磁器、セーヴル焼のプロジェクトにも参加しているが、ヨーロッパと日本を比べたときに、ものづくりの定義やシステムに違いは見えるものだろうか。
「プロダクトをつくるノウハウは、フランスと比較しても大差ありません。ですが、有田には、柿右衛門様式に代表される非常に芸術性の高いものづくりを手がける窯元と日用食器をつくる窯元とか共存している。この複層的な仕組みが高度で多様な有田焼を根幹で支えているのではないでしょうか。これは世界にも類を見ない、とても珍しい例だと思いますよ」
食器には、磁器以外にも陶器や木、ガラスの器など、さまざまなものが存在するが、ピエール・シャルパンが提案する磁器の魅力とはなんだろう。
「薄くて、丈夫だということはもちろんですが、とても繊細でエレガントなプロダクトです。しかし、私は上質さを押し付けがましく語ったり、取り扱いが難しいもののように感じさせることはしたくありません。触れて、使っているうちに態度や行動が自然とエレガントになる。そんな風に思ってもらえれば嬉しいです」
この《PC “Outline”》は、現在東京・パレスホテルにある1616/arita japanのフラッグシップストア、MOMOTA TOUENで展示中。11月1日より一般販売が開始される。
「薄くて、丈夫だということはもちろんですが、とても繊細でエレガントなプロダクトです。しかし、私は上質さを押し付けがましく語ったり、取り扱いが難しいもののように感じさせることはしたくありません。触れて、使っているうちに態度や行動が自然とエレガントになる。そんな風に思ってもらえれば嬉しいです」
この《PC “Outline”》は、現在東京・パレスホテルにある1616/arita japanのフラッグシップストア、MOMOTA TOUENで展示中。11月1日より一般販売が開始される。