花と植物の力を凝縮した、サンフランシスコ生まれのスキンケア。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

花と植物の力を凝縮した、サンフランシスコ生まれのスキンケア。

オーガニック文化発祥の地、カリフォルニア州で生まれた〈インフィオレ〉は、世界中を旅して出会った植物と、そのエキスをギュッと閉じ込めたスキンケアコスメ。サンフランシスコの路地裏に、ひっそりと、しかし美しく佇む隠れ家のようなショールームを訪ねました。

発祥の地、サンフランシスコ

オーガニック・ムーブメントの発祥地としても知られる、アメリカ西海岸のカリフォルニア。中でも1971年から地産地消を謳って来たアリス・ウォータースの率いるレストラン、シェ・パニースを筆頭に、食のコミュニティと人々の知識が育まれて来た土壌を持つのが、サンフランシスコ、バークレー、オークランドを含む湾岸地域、ベイエリアだった。その食の世界での動きがビューティープロダクトに影響を及ぼすのは必然だったといえる。

1999年に〈インフィオレ〉を立ち上げたジュリー・エリオットさん。「一般の人々が普段からファーマーズ・マーケットで食材を買うようになり、口にする食べ物のクオリティに関心を持ち始めると、家で使う洗剤や体に塗るクリームなど、直接肌に触れるものにも同じ質を求めるようになりました。そういった人々の意識のシフトがサンフランシスコに早いうちからあったのも、食の世界の貢献がとても大きいと思うんです」とジュリーさんは言う。

自分のためがみんなのために

「パリの裏道にひっそりと佇むお店のようでしょう?」とはジュリーさん。1915年築の建物はレンガの壁が存在感を放ち、個性的な空間で気に入っているという。
もともとファッション関係の仕事に就いていた彼女は、仕事柄世界を旅することが多かったという。旅で疲れた体や肌をいたわる自然派素材のスキンケア用品を趣味で作っていたジュリーさんは、同じようなものを欲している人々が多くいるのではないか、ということにある時気づいたという。「デパートを見ても人工的な香りの化粧品ばかりで、自分が感覚的に買いたいと思えるものが見つけられなかったんです。私たちの肌は生きていて、呼吸を常にしている体の大切な部分です。有機的なものだから、オーガニックな素材にも敏感に反応してくれます。それはオーガニック食材を口にするのと同じことなのです」。そしてこれこそがウェルネス(健康)への取り組み、という見本となるようなボディケアプロダクトを作りたい、と立ち上げたのが〈インフィオレ〉だった。

隠れ家的なショールームへ

ショールームの壁一面を使ったショーケース棚はフランスのアポセカリーをイメージして。障子のディテールがフレームにデザインされた棚に商品が並ぶ。
サンフランシスコのテンダーロイン地区にある〈インフィオレ〉のショールーム。2001年にオープンしたショールームは看板も掲げず、隠れ家的な佇まい。都会的なロケーションと、個性的な空間が気に入っているという。
大きな看板もなく、ひっそりとした佇まいの漆黒の入り口を入ると、〈インフィオレ〉の商品が並ぶ、右手一面のショーケース棚がまず目に入る。「この棚は〈Small Trade Company〉のデザイナーで友人のマット・ディックと一緒にデザインしたものです。実は日本の障子にインスパイアされていて、三つの棚がすっぽり収まる機能のモバイルな棚。日本のデザインに感銘を受けていたというシャルロット・ペリアンの家具が大好きで、その影響もありますね。また、金沢の東茶屋街に見た濃い木の色と黒、という色の取り合わせにも着想を得ていて、自分たちの好きな要素が融合した空間になっています」。

その対となる左手を見ると、1915年築の建物の歴史を語るべく、いびつな繋ぎで重なるレンガの壁が無骨な趣を演出している。「外が雑多な都市的なところも気に入っているし、中に入って来てくれたお客さんにはパリの裏道に見つけたスペシャリティ・ショップのような魅力もあると思うんです。カウンターはこの地域にしか生息していないクラロウォルナットの倒木を利用して作ったもので、トップの黒大理石は再利用素材。デザインに妥協することなく、環境に最大限の配慮をしたものを什器に選びました」。

この日はレモンバーヴェナとミントのハーブティーを出してくれたジュリーさん。お茶に対しての思い入れもひとしおのようだ。「私の仕事は香りを扱うので、ミントのような体の感覚をスッキリさせてくれるお茶を好んで飲みます。香りを扱う仕事がある日は、朝から食べ物を口にしなかったり、意識をまっさらにするためにカミメボウキのお茶を飲んだりも。ホーリーバジルとも言われるこのハーブは強力な抗酸化効果を持ち、体の中の炎症を抑えてくれるお茶としても知られているんですよ」。