鹿児島のクラフトシーンのこれまでとこれから。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS facebook-a facebook instagram line twitter youtube

鹿児島のクラフトシーンのこれまでとこれから。

『カーサ ブルータス』2017年12月号より

鹿児島中のショップや作家が参加する〈ash〉が今年で10回目。発起人・中原慎一郎さんに聞きました。

RHYTHMOS
飯伏正一郎率いるレザーアイテムブランド。今年はオリジナル家具も展示。
鹿児島県内のショップや飲食店、ホテルなどが、それぞれに作家を選んで期間中に展示やイベントを行う『ash Satsuma Design & Craft Fair』。この期間に鹿児島を訪ねると、あちこちの店を回りながら、この土地ならではのモノや人に出会うことができる。初回の開催は2007年。中原慎一郎さんが故郷の鹿児島にライフスタイルショップ〈DWELL Playmountain(現GOOD NEIGHBORS)〉を開いたのと前後してのことだ。

「鹿児島によく帰るうち、たくさんの作り手たちが集まってくるようになったんです。彼らはやりたいことや作っているものはあっても、売る場所がないという悩みを抱えていた。そんなところが『ash』の始まりでしたね」

クラフトフェアやコンペではなく、様々な店が作家と組んで出店するというスタイル。イベントの運営を通じて作り手同士、また店と作り手とが密接に結びついていき、この10年間で鹿児島のクラフトシーンは大きく変化した。

「ONE KILNやRHYTHMOS、アキヒロジンなど、当初からの作り手たちはぐんと成長し、自力で日本各地や海外でも展開するようになりました。彼らが牽引した鹿児島のクラフトシーンの盛り上がりとあいまって、面白いショップも増えましたね。さらにその方たちが新しい地元の作家を見つけ出す、いいスパイラルが生まれています。今では『ash』は、最初に出会った作り手たちが中心になって運営していて、僕は相談役のような立場。とても頼もしいです」
reimi
ステンドグラスの技法を用いて作る鏡が人気の西田麗美によるブランド。
ONE KILN
城戸雄介による陶器ブランド。ルーツである土地から土を取ったシリーズ。
tari jutan
作家が育児のため休止していたブランドが再開。パンチの効いた絨毯が印象的。
reimi
ステンドグラスの技法を用いて作る鏡が人気の西田麗美によるブランド。
ONE KILN
城戸雄介による陶器ブランド。ルーツである土地から土を取ったシリーズ。
tari jutan
作家が育児のため休止していたブランドが再開。パンチの効いた絨毯が印象的。
10回目となる今年は、50組以上のショップと作家が参加。節目となる今年、中原さんはどんな期待をしているのだろうか。

「今年僕らがサンフランシスコにオープンした〈Playmountain EAST〉でも展示しましたが、陶芸の酒匂ふみ、ステンドグラスのreimi、絨毯のtari jutanなど、女性の作り手の台頭を感じます。もともとクラフトは女性たちの手が支えてきているという側面もあるし、これからも多くの女性作家が出てくるのではないでしょうか。それから、木工作家の秋廣琢など、さらなる若手が出てきているのもうれしい」

着実に層に厚みを増しつつある鹿児島のクラフトシーン。いっぺんに巡れる絶好の機会が、今年もやってくる。
〈Playmountain EAST〉の様子。

ash Satsuma Design & Craft Fair

11月23日〜12月3日。鹿児島県内のショップやカフェなどで多ジャンルのクラフト作家やアーティストの作品を展示・販売する。出店・作家リストなど詳細はHPにて。

中原慎一郎

なかはらしんいちろう 1971年鹿児島県生まれ。オリジナル家具の〈Playmountain〉をはじめとする多数のショップを展開する傍ら、インテリアからブランドプロデュースまで多岐にわたり手がける。今年、サンフランシスコに〈Playmountain EAST〉をオープン。