DESIGN
名作が眠る、カルテルの博物館〈Kartellmuseo〉に潜入!
August 26, 2017 | Design, Travel | casabrutus.com | photo_Francesco Dolfo text_Kanae Hasegawa
今年もミラノサローネで新作に注目が集まった〈カルテル〉。そのハイライトとともにミラノ郊外にある、貴重な歴史が詰まった博物館のスペシャルリポートです。
カルテルは、今年のミラノサローネで31点もの新作を発表した。昨年、椅子の本質に立ち返る《ジェネリック》シリーズをデザインしたフィリップ・スタルクは今年、その発展版《ジェネリック・フォー・ヴェニス》を発表。どんな空間にも溶け込むようなオーソドックスさを踏襲しつつ、《ジェネリック》の兄弟としてヴェニスのハリーズ・バーをイメージして生まれた。
吉岡徳仁《マトリックス》
たゆまぬ技術開発の末に生まれる革新的なプロダクトも登場。今年は吉岡徳仁のデザインを形にするために3D射出成型という新たな成型方法を開発した。椅子をデザインするのではなく、椅子の構造をデザインしたかったという吉岡徳仁による《マトリックス》は座面のシェルが二重の網目になった中空構造。座面のカーブに合わせて網目は一様ではないため、複雑な型を要する。加えて、細い曲線の型から樹脂をはみ出すことなく抜き出す技術の完成度に思わずうなる。
フェルッチオ・ラヴィアーニは昨年発表したフロアランプの〈Kabuki〉に今年はペンダントタイプのサスペンションを加えた。名前には、歌舞伎の語源である「かぶく」から「想像を超えた」という意味合いを持たせた。同じ技術、パーツを用いながらもランプシェードの上下を逆さにし、スタンドランプから吊下げ式にすると印象がぐっと変わる。
フェルッチオ・ラヴィアーニは昨年発表したフロアランプの〈Kabuki〉に今年はペンダントタイプのサスペンションを加えた。名前には、歌舞伎の語源である「かぶく」から「想像を超えた」という意味合いを持たせた。同じ技術、パーツを用いながらもランプシェードの上下を逆さにし、スタンドランプから吊下げ式にすると印象がぐっと変わる。
今年はアンネ・カステッリがデザインした円柱状のキャビネット《コンポニビリ》が生まれて50年。不朽のプロダクトに新しく、ミリタリーグリーン、ペトロリアムブルーなどのカラーバリエーションが加わった。と同時に、ファビオ・ノヴェンブレが彼らしい捻りを加えたキッズ向け小型の《コンポニビリ・スマイル》が発表された。絵文字を取り込んだ今らしいデザインだ。
ミラノサローネ展示の様子。
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