DESIGN
【ミラノ・デザインウィーク】吉岡徳仁による、光のインスタレーション。
June 5, 2017 | Design | casabrutus.com | photo_Sohei Oya (Nacása & Partners) text_Hisashi Ikai
光は人にどのような影響を与えるのか。デジタルと自然の境界線を漂う、吉岡徳仁による大規模な光のインスタレーションに注目が集まった。
今年で創業70周年を迎えるLGが、今年のミラノデザインウィークでパートナーに選んだのは吉岡徳仁。吉岡は、スーパースタジオピウの特設会場で、LGのテクノロジーを応用しながら、デジタルで自然の光を再現する大規模なインスタレーション『S.F_Senses of the Future』を発表した。
厚さ15mm・薄型の液晶パネルを素材にした椅子《S.F チェア》を会場内に17脚展示。虹や光のスペクトルなどを表現した映像が17脚全体に渡ってシンクロして上映された。
厚さ15mm・薄型の液晶パネルを素材にした椅子《S.F チェア》を会場内に17脚展示。虹や光のスペクトルなどを表現した映像が17脚全体に渡ってシンクロして上映された。
有機ELパネル3万個を並べた巨大な壁〈Wall of the Sun〉は、太陽の対流運動を彷彿とさせるかのように、光が緩やかに強くなったり、弱くなったりを繰り返し、ときおり太陽フレアのように目をこらすほどの強い光を放つ。圧巻のインスタレーションは、ミラノデザインウィークアワードの最高賞を受賞した。
「デジタル技術の進歩と同時に物質が消えゆく時代において、テクノロジーをかたちにし、目に見える状態にすることは、人の感覚にも大きな影響を与えると思います」と吉岡徳仁。デジタル技術が自然の現象のように人間に近い場所で息づいているかを、静かな躍動によって来場者に伝えていた。
「デジタル技術の進歩と同時に物質が消えゆく時代において、テクノロジーをかたちにし、目に見える状態にすることは、人の感覚にも大きな影響を与えると思います」と吉岡徳仁。デジタル技術が自然の現象のように人間に近い場所で息づいているかを、静かな躍動によって来場者に伝えていた。