DESIGN
古今東西 かしゆか商店【珪藻土の七輪】
『カーサ ブルータス』2023年1月号より
January 6, 2023 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは愛知県碧南市。昭和初期から続く工房で、木炭を使う昔ながらの調理道具「七輪」に出会いました。
シンプルなつくりなのに大きな効果を発揮する。魔法のような道具が日本にはたくさんありますが、土製の小型コンロ “七輪” もそのひとつです。炭火で焼くだけで、魚も野菜もじんわりジュワーッとおいしくなる。その秘密を知りたくて、江戸時代から続く七輪産地、愛知県三河地方の碧南市を訪ねました。
「秘密はないんですよ。とにかく土のよさですね」と話すのは、昭和初期に創業した〈亀島製陶所〉の3代目、亀島利昌さんと邦恵さん夫妻。2人だけでひと月に数百個もの七輪を作っています。三河地方に伝わる製法を受け継ぎつつも、用いているのは北陸・能登半島の珠洲市で採れる珪藻土。珪藻土というと建物の壁に塗られているのを何度か見たことがありますが、七輪にも使われるんですね。
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