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新しくなった東京都写真美術館で『杉本博司 ロスト・ヒューマン』開催中!
September 10, 2016 | Design, Art | a wall newspaper | text_Naoko Aono
総合開館20周年の節目の年に、約2年間の改修を終えて再開館する東京都写真美術館。リニューアルを記念して開かれるのが、この個展だ。
展覧会のテーマは「人類と文明の終焉」。展示は「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」というテキストとともに、杉本自身の作品と彼のコレクションによって33のシナリオを提示するインスタレーションから始まる。ハリケーンで水没した杉本の写真、古代の生物の化石、アポロ11号の宇宙食など独自の審美眼でセレクトされたオブジェが、我々の文明がいかにして滅ぶのかという物語を紡ぐ。
世界初公開の〈廃墟劇場〉は閉鎖されたアメリカ各地の映画館で映画を1本上映する間露光したもの。廃墟と化した室内装飾に、空間に蓄積した時間がにじみ出る。京都の蓮華王院本堂(通称・三十三間堂)の千手観音は平安末期、末法と呼ばれた時代に建立された。展示の最後に現れる〈仏の海〉が仏の救いを希求する人々の心を表す。