古今東西 かしゆか商店【肥後象嵌】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【肥後象嵌】

『カーサ ブルータス』2021年9月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは、熊本の金工“肥後象嵌”。約400年前、刀の鐔を彩る装飾として始まった、誇り高き伝統工芸です。

肥後(熊本)藩主、細川家のもとで発展した肥後象嵌を現代に伝える肥後象嵌士、稲田憲太郎光秀さんの工房で。右ページは刀の鐔(柄と刀身の間の刀装具)。「技術に加えて絵心が必要な工芸なんですね」とかしゆか店主。
刀剣に代表される武家文化の手仕事に、そういえば触れてこなかったな……と思っていたところ、肥後象嵌という、刀の鐔などに装飾を施す伝統工芸に出会いました。間近で見て、その繊細な美しさにびっくり。刀が、こんなふうに彩られているなんて知らなかった!
Buying No.40【肥後象嵌】武士の美学が宿る気高く繊細な伝統技。
「肥後象嵌は、鉄生地に線を刻み、その溝へ金や銀を嵌めて装飾する技法。約400年前に始まり、肥後藩主細川家のもとで栄えました」

と語るのは、熊本県・金峰山の中腹に工房を構える肥後象嵌士、稲田憲太郎光秀さん。美術品としての刀装具だけでなく、アクセサリーなど今の生活になじむ作品も手がけています。すべてオーダー制作。生地づくりから仕上げまで、ひとりで手がけているそうです。
鉄の生地を成形し、秘伝の“錆び液”で黒く錆びさせる。
この日は、刀の鐔をかたどったピンバッジの制作を拝見。鉄の生地の表面に、縦、横、斜めの線を刻み入れる「布目切り」という技法です。生地の表面に鏨を当て、鏨のお尻を金鎚でカンカンと叩きながら線を刻みます。

「鏨をずらしているように見えますが、実は叩いた時の反動で鏨の先端がかすかに動くのを利用して、0.1から0.2mm幅の等間隔に刻みを入れているんです」
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