【速報】岡本太郎《こどもの樹》を囲む、藤原徹平による緑の道。「パビリオン・トウキョウ2021」メイキングレポート。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

【速報】岡本太郎《こどもの樹》を囲む、藤原徹平による緑の道。「パビリオン・トウキョウ2021」メイキングレポート。

オリンピックスタジアムとなる〈国立競技場〉を中心とする都心の10か所に、9人の建築家とアーティストが建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案する『Tokyo Tokyo スペシャル13「パビリオン・トウキョウ2021」』が7月1日にスタート。その直前に、旧〈こどもの城〉前で《ストリート ガーデン シアター》を施工中の建築家・藤原徹平にインタビュー、建築的な見どころを語ってもらった。

完成した《ストリート ガーデン シアター》全景。旧〈こどもの城〉は改修され、2023年度に〈都民の城〉として再オープン予定。
「植木梁」に腰掛ける藤原。 photo_Kenya Abe
藤原による手描きスケッチ。
東京・神宮前の青山通り沿い、旧〈こどもの城〉前はふだんから歩行者が多い。そこで街を見下ろすように立つ岡本太郎のモニュメント《こどもの樹》の周囲が、木材でできた構造物と無数の植物に取り囲まれた。パビリオン設計を手がけた建築家・藤原徹平に、なぜこの場所を選んだのか、その狙いを聞いてみた。

「まず、青山通りが東京にとって重要な道だということがひとつ。1964年の東京オリンピックの時にはまだ都電が一部走っていて、その後、青山車庫の跡に旧〈こどもの城〉や〈国連大学〉ができたりして街が変わるきっかけになったので、青山通り沿いがいいなというのは最初から思ってました。ここは向こうの青山学院脇の道とのT字路で岡本太郎の彫刻《こどもの樹》があって、〈こどもの城〉は東京の子どもにとって非常に大事な、聖地みたいな場所だった。そこが2015年に閉館し、何も使われないまま放置されていた。非常にもったいないというか、場所が死んでいるのがずっと気になっていました。渋谷から歩いてきて表参道に行く中継地点の大事な場所なので、東京にとってもすごく重要な交差点なんじゃないかと思います」
完成した《ストリート ガーデン シアター》を渋谷方面から見る。
今回の展示を機に、岡本太郎《こどもの樹》の周りにあった仮囲いが撤去されている。

「《こどもの樹》を取り囲むようにパビリオンをつくれたら、岡本太郎も喜ぶかなと思いました。太郎が1959年に〈いこい島〉、通称“おばけ東京”という構想を発表したのですが、それは東京湾の島の中に全く違う東京をつくろうという計画で、実は丹下健三の《東京計画1960》につながるという、アートと建築の接点としてすごく面白いプロジェクトだったと思うんです。小さな島で色々な東京の文化が混ざり合うんだという意味のことを太郎が言っているんですけど、今回の『パビリオン・トウキョウ2021』にも似たようなところがあるかなと思います。

東京全体を問題にするのではなくて、一人ひとりの建築家やアーティストが小さなパビリオンをどれだけ面白がれるかということは、そのまま東京の可能性につながるのではないか。つまらなくなった東京を嘆くのではなく、個々に面白いことをやり続けていれば、必然的に東京が面白いことになるんじゃないかという気がするので、建築家としては、この太郎の作品の周りを祝福された場所に変えられたらいいなあと思いました」

完成したパビリオンの最上部から青山通りを見下ろす。
「植木梁」は日照効率に配慮して配置され、植物の配置は生育状況を観察しながら変えていく。
次に、パビリオンのテーマと機能について聞いてみた。

「一番大事なのは道の文化なんだと思うんです。道をつくることが都市をつくるということ。このパビリオンはぐるぐると上まで登っていく坂道になっているんですが、道沿いに渡した梁を“植木梁(うえきばり)”と呼んでいて、ポットに入った植物にみんなで水をあげるという文化を、会期中につくります。観客も一緒に、みんなで街の植物に水をあげて育んでいく。夏だから枯れやすい植物にはけっこう水をあげないと大変なんですが、そういうことも一人ひとりがケアして、花が咲いたとか、ちょっと弱っていたのが元気になったとか、一喜一憂しながら過ごすのが面白いんじゃないかと」
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