DESIGN
ブルーに染まる古都。写真家・細倉真弓が捉える京都、ルイ・ヴィトンが刊行。
February 27, 2021 | Design, Art, Culture | casabrutus.com | text_Mio Koumura editor_Keiko Kusano
ルイ・ヴィトンの写真集《ファッション・アイ》シリーズ初の日本タイトルは京都。篠山紀信に続き、日本人フォトグラファーとして抜擢された細倉真弓が、故郷を”ブルー”一色で表現。その神秘性を映し出します。
〈ルイ・ヴィトン〉が2016年より刊行し、世界のレジェンドから才能ある若手まで、ファッション・フォトグラファーたちが独自の視点で捉えた多彩な都市の魅力を伝える《ファッション・アイ》シリーズに京都が加わる。シリーズ初となる日本の都市、京都を撮影したのは若手写真家の細倉真弓。日本人として同シリーズを手がけるのは2018年に再編集され刊行された『シルクロード』を撮影した篠山紀信以来、2人目となる。
細倉真弓は〈マメ クロゴウチ〉や〈フィンガリン〉など国内ブランドのキャンペーンを手掛けてきた一方で、ロンドンの出版社〈MACK〉などから作品集を発刊。色彩豊かな表現と官能性とが入り混じりる写真の評価は年々高まっている。『ファッション・アイ 京都』では、故郷を映し出す色として”ブルー”に着目。京都とは一見かけ離れた印象を持つこの色で、花盛りの木々や枯山水の大きな石、古式ゆかしい儀式、透明感あるティーンエージャーまでを侵食していく。澄んだ中間色としてだけではなく、藍色から海緑色までカメレオンのように変化するブルーの色調を巧みに操り、神秘性や現代性を失うことない京都の謎めいた魅力を浮かび上がらせている。
著者やデザイナー、印刷業者の共同作品として、紙や装丁、レイアウト、時には印刷工程まで、オーダーメイドで仕上げられる〈ファッションアイ〉シリーズの写真集。『ファッション・アイ 京都』はフランス出身のグラフィックアーティスト、ダミアン・プーランが編集を担当し、装丁はもちろんブルーで彩られた。96ページ隅々にわたるブルーの世界、細川のフィルターを通して見える未開の京都に没入したい。
『ファッション・アイ 京都』
価格 5,700円。2021年3月1日からルイ・ヴィトン ストアおよび公式サイトで発売。