【対談】佐藤可士和×藤本壮介が語る〈ユニクロパーク〉誕生秘話。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

【対談】佐藤可士和×藤本壮介が語る〈ユニクロパーク〉誕生秘話。

佐藤可士和と藤本壮介が手がけた〈ユニクロパーク〉がついにオープン。〈ユニクロ心斎橋店〉以来10年ぶりの協働となる二人の特別対談をお届けします。

(左から)クリエイティブディレクターの佐藤可士和、建築家の藤本壮介。店舗の大屋根に沿って遊び場が設けられている。
笑い声を上げながら滑り台を滑る子ども、ボルダリングの出っ張りにつかまって少しずつ斜面を上がる子ども……。そこかしこで楽しげに子どもたちが遊ぶそこは、なんとユニクロの屋根の上! 横浜ベイサイドマリーナを望む場所にオープンした〈UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店〉だ。3階建ての建物は、地上から屋根に登れるつくり。1階から3階に至る大きな斜面すべてが「公園」になっているのだ。プロジェクトのグランドコンセプトを手がけたクリエイティブディレクターの佐藤可士和さんと、基本構想・デザイン監修を担当した建築家の藤本壮介さんが、オープン後のショップを訪れました。
地上から直接屋根の公園部分にアクセスできる。半公共空間のある、全く新しいショップ。
グリップハンドルをつかみながら上っていく坂道「ウッドクライミング」。
小さな子どもでも遊べる「トドラープレイエリア」。遊具などは、佐藤さんと藤本さんのコンセプトを、保育園や幼稚園など子どもの遊び場空間をつくってきたボーネルンド社が実現させている。
最上層にある「ネットジャングルジム」。見晴らしのよい高台のような場所からは、晴れた日には富士山も見える。
──お二人のコンビネーションでのユニクロの店舗は、ユニクロが初めて建築から手がけた〈ユニクロ心斎橋店〉以来、10年ぶりですね。久しぶりの協働はいかがでしたか?

佐藤可士和(以下、佐藤) 藤本くんは、エッジの効いたものをつくっている一方で、すごく柔軟な方でもある。初めてお会いしたときから「一緒にやるのが楽しそうだな」と思っていました。結果的に〈ユニクロ心斎橋店〉は、とてもアイコニックな建物になった。今回、ユニクロとしては久しぶりの大型店舗を建築から考えるプロジェクトでしたから、迷いなく藤本くんにお願いしました。今回も楽しかったですよね。

藤本壮介(以下、藤本) ええ、特にブランクもなく始まりましたね(笑)。この10年のうちにも、いろんな場面でお会いしたりしていましたし。

佐藤 5年ほど前だったかな? 実は柳井さん(株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)と藤本くんと僕の3人で、“デスティネーション・ストア” をつくるプロジェクトをやっていたんです。これからは、旗鑑店とはまた違う目的をもった、そこ自体が目的地(デスティネーション)となる店が必要だ、と。結局そのときは実現しなかったのですが、今回の〈UNIQLO PARK〉は、あの時のディスカッションという下地があったからこそ実現したように思います。

藤本 今回いちばん最初に持っていったのは、もっとつるりとした、いわば普通の建物の模型。「こういうことじゃないんだ、もっと面白いことをやりましょう」って言われて、そこからいろいろな模型でご提案をしました。そのなかに、この〈UNIQLO PARK〉の完成形に近い、屋根が全部階段になったものがあったんですよね。僕らとしては、敷地が横浜ベイサイドマリーナに面しているので、この階段に座って海を眺めたらとても気持ちいいだろうなあ……くらいの気持ちだったんですが(笑)、可士和さんが「これ面白いじゃん! 上に長〜い滑り台とかあったら最高だよね!」って。その瞬間、もしかしてこれはすごく面白いことが始まったんじゃないかと思いましたね。

佐藤 あれはものすごくクリエイティブな瞬間だったよね! 屋根が階段になったあの模型は、造形的にも抜きん出て美しくて。ただ大階段だけで、果たしていちばん上まで上るかな? という疑問があったんですよね。それで、何があったら上るだろうと考えたときに、例えば滑り台だな! と。それが最終的には屋根面全体を使った公園になりました。

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