DESIGN
あの人のうつわとレシピ|冷水希三子|白いリム皿とホタテと春野菜のスープ。
『カーサ ブルータス』2020年6月号より本誌
June 15, 2020 | Design, Food | MY FAVORITE | photo_Satoshi Nagare text_Chizuru Atsuta editor_Tami Okano
料理家や料理上手のクリエイターが大切にしているうつわ。そんなとっておきの一枚に合うとっておきの料理を、料理人の冷水希三子さんに教えてもらいました。
透明感のある春野菜のスープに寄り添うアンティークの白いリム皿。
うつわ好きで知られる料理家の冷水希三子さん。曰く「旅したり出歩いたりするたびに買っている気がする」とあって、家の中にはこれまで買い集めたヨーロッパのものから韓国やタイなどのアジアのうつわまで、洋の東西を問わず、さまざまなうつわが並ぶ。今回選んだのは、ベルギー製のアンティークで業務用だった白いリム皿だ。
「アンティークならではの味わいと貫入の入り方が好きなんです。同じ白でも国や年代、磁器か陶器かによって色味や印象がまったく違う。よく “白いうつわは料理を選ばない” と言われますが、それよりは、 “料理に寄り添ってくれる存在” だと思っています」
「アンティークならではの味わいと貫入の入り方が好きなんです。同じ白でも国や年代、磁器か陶器かによって色味や印象がまったく違う。よく “白いうつわは料理を選ばない” と言われますが、それよりは、 “料理に寄り添ってくれる存在” だと思っています」
合わせる「ホタテと春野菜のスープ」は、和だしをベースにした透き通ったスープ。盛りつけたときにうつわのニュアンスに変化が生まれ、春野菜の彩りも効いて、ぐっと上品で華やかな印象に。
「リムがしっかりあるタイプは、スープをメインにしたいときに最適。逆に小さなうつわに盛ればコースの最初の一品になります。サイズや形、リムの幅で料理の印象もガラリと変わる。レシピの数だけ何通りも楽しみが広がる。それこそがうつわの魅力ですね」
「リムがしっかりあるタイプは、スープをメインにしたいときに最適。逆に小さなうつわに盛ればコースの最初の一品になります。サイズや形、リムの幅で料理の印象もガラリと変わる。レシピの数だけ何通りも楽しみが広がる。それこそがうつわの魅力ですね」
冷水希三子
ひやみずきみこ 奈良県生まれ。レストランやカフェ勤務を経て、フードコーディネーターとして独立。季節の味を大切にした料理が評判に。現在は料理にまつわるコーディネート、スタイリング、レシピ製作を中心に書籍、雑誌、広告などで活躍。著書も多数。うつわ選びは「直感で選んだものばかり。基準は好きかどうかだけ」。