NYの有名デザイナーたちが街を力づける、ポスターキャンペーン。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

NYの有名デザイナーたちが街を力づける、ポスターキャンペーン。

新型コロナに苦しむNYを応援するため、アーティストやデザイナー24組がポスターを描きました。市内1,800か所以上の場所でメッセージを発信しています。

マイラ・カルマン《Love in the time of Corona》(コロナの時代の愛)。タイトルはガブリエル・ガルシア=マルケスの名著『コレラの時代の愛』をもじったもの。静まりかえったタイムズスクエアに、心躍るピンクと白のポスターが出現した。photo_Ian Douglas
ポスター博物館〈ポスターハウス〉が〈PRINT〉と手を組んで始めたキャンペーン「#CombatCovid」。NYを励ますメッセージポスターを、地元のグラフィックデザイナーやアーティストが無償で描いた。その顔ぶれが凄い。「I ♡ NY」をデザインしたミルトン・グレイザー。泣く子も黙る世界的デザイン事務所ペンタグラムのNY主任で、グラフィックデザイナーのポーラ・シェア。NYを代表するイラストレーターのマイラ・カルマン。〈Whatever〉のチーフクリエイティブオフィサー、川村真司、と錚々たるメンツが並ぶ。

ソーシャルディスタンスや手洗い励行の呼びかけ、医療従事者や食料品店従業員など最前線で働く人々への謝意、そして互いに向けた励ましのメッセージ。名うてのクリエイター達による「街へのメッセージ」が、バス停のデジタルサイネージや、タイムズスクエアのビルボードなどに掲げられている。
川村真司 & Whatever Inc.《Doves》。コピーは「Stay apart now to fly again sooner.(また飛べる日が早く来るように、今は離れていよう)」。Creative Director/Idea: Masashi Kawamura, Art Director/Designer: Yuichi Takatani photo_Bader AlAwadhi
賑やかだったタイムズスクエアには現在、ほぼ人の姿はない。例外は出勤中や帰宅途中のエッセンシャルワーカーの人々だ。ポジティブな言葉とビジュアルが、彼らの目に飛び込むように。ここは頻繁にメディアに登場するNYの顔でもある。ニュース画面に巨大ポスターが映ることで「新型コロナに負けない」メッセージは世界にも発信される。

このご時世で埋まりづらくなっている広告スペースを、社会のために賢く使う。このポジティブなキャンペーン#CombatCovidを呼びかけたデザイナーの一人、KUDOS Design Collaboratory代表のジョン・クドス(John Kudos)に話を聞いた。

彼が今回制作したのは、感染者数のカーブをジェットコースターに見立て、「上がるものは必ず下がる」というアメリカの日常的な言い回しと組み合わせたキャッチーでユーモラスな動画ポスターだ。

「人と離れましょう、というメッセージも繰り返されると慣れっこになってしまいます。このキャンペーンで多くのポスターが作られたのは、ずっと新鮮に響くように、との思いから。私が取りかかった時には、すでに感謝の心やソーシャルディスタンス励行といったポスターを目にしていました。ですからあえて注意喚起や警告ではなく、サラリと “みんなでこのカーブを乗りきって行こう”、というメッセージを選んだのです」
KUDOS Design Collaboratory《What goes up must come down.》(上がるものは必ず下がる。)photo_Bader AlAwadhi
同キャンペーンはタイムズクスエアのパブリックアート団体や公共無料Wi-Fiキオスク等ともすばやく連携し、早くも4月17日には掲出スタートした。ジョンはこう語る。

「NYはどこよりも草の根文化が発達しています。公共広告というと大抵の国では行政のトップダウンで行われます。しかし今回は民間で発生し、NPO〈ポスターハウス〉がプラットフォームを整えて提供しました。そこがなんともクールですね」
ミルトン・グレイザー《Empire》
川村真司 & Whatever Inc.《Heroes》Creative Director/Idea: Tatsuya Ishikawa Copywriter: Mark Stein Art Director/Designer: Yuichi Takatani Designer: Yuta Mihashi Designer: Zhe Wang
マイラ・カルマン《Love in the time of corona》
エミリー・オバーマン&ロレンゾ・ファントン『APART』
KUDOS Design Collaboratory《What goes up must come down.》
ジェシカ・ヒッシュ《Stay Home》
ポーラ・シェア《You Me》

『#CombatCovid』

ポスター博物館〈ポスターハウス〉と〈PRINT〉の合同キャンペーン。NY市内各所で掲示中。

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