DESIGN
最初で最後の、ザハによる内装デザインのホテルが完成。
『カーサ ブルータス』2020年5月号より
April 9, 2020 | Design, Architecture, Travel | window on the world | text_Chiyo Sagae
2016年の急逝以降も、世界各地で続々完成を迎えているザハ・ハディドの未来派建築。3月初頭には、アラブ首長国連邦ドバイに、ザハが初めて外観から内装までを手がけたタワーホテル〈ME DUBAI〉が誕生した。
ホテルは同じくザハ設計のタワービル〈オーパス〉内に位置する。有機的なフォルムの二つのタワーに挟まれた立方体の連絡通路が印象的な、ドバイの新しいシンボルだ。そのビルのデザインを着想源に、内部のホテルのインテリアをすべてザハ自身が手がけた。
曲線、鋭角、大胆な素材が特徴のザハ建築の魅力を発揮するホテル内部は、驚くほどに未来的。74の客室と19のスイートのほか、ロビーやラウンジエリア全体がザハ設計の特注家具、あるいは彼女自身がセレクトした調度品で構成されている。昼の陽光と夜間のLED照明で浮かび上がる劇的なビルの外観と、客室から眼下に広がる眺望の光の変化が呼応する様は、まさに “宇宙船” だ。ザハ建築を堪能する特別な一夜を過ごしたい。
〈ME DUBAI〉
The Opus by Zaha Hadid, Al Amal Street, Business Bay 333371 Dubai。1室1名 1,590ディルハム〜。