古今東西 かしゆか商店【和ろうそく】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【和ろうそく】

『カーサ ブルータス』2020年4月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは琵琶湖をのぞむ町、滋賀県高島市。櫨の実を搾った蝋で手づくりする、近江の和ろうそくに出会った。

植物を原料とする滋賀県の指定伝統工芸品「和ろうそく」をつくる〈大與〉。工房併設の店舗で櫨ろうそくに火を灯したかしゆか店主。「炎の揺れが静か。目が離せなくなる美しさですね」。鋳鉄のろうそく立てにも興味津々。
キャンドルが大好きで家でもよく灯すのですが、黒っぽい煤が壁や家具につくのが気になっていたんです。そんな時に教えてもらったのが和ろうそく。植物由来の原料でつくられるため、煤や油煙が少なくて蝋もほとんど垂れない--そう聞いてとっても興味を持ちました。
Purchase No. 25 Wa-rosoku Candle【 和ろうそく 】 上品な炎に見惚れる櫨の和ろうそく。
琵琶湖の穏やかな景色を眺めながら、京都から車で約1時間。今回訪ねたのは滋賀県高島市です。昔から寺院が多く、仏事や茶事に和ろうそくが使われてきたこの土地で、1914年に創業したのが〈大與〉。約100年の間、和ろうそくだけをつくり続けてきた工房です。4代目の大西巧さんいわく「和ろうそくの技法は江戸時代中期からあったようですが、混ぜ物を一切せずにつくれる植物原料はとても少ないんです。ウチでは九州産の希少な櫨の木の実から搾った蝋だけを使い、古くから伝わる“手掛け”という伝統技法で1本1本丁寧につくっています」
手掛け用の串。
ろうそくの芯。和紙やイグサを巻いて手づくりする。
手掛けとは、熱して溶かした蝋を素手で(!)すくって芯に塗り重ねる方法。塗って乾かす工程を何度も何度も繰り返すことで、分厚い年輪のような“蝋の層”をつくります。この技ができる職人は世界で10人もいないのだとか。

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