古今東西 かしゆか商店【甲州印伝の巾着】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【甲州印伝の巾着】

『カーサ ブルータス』2020年2月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは400年の歴史を誇る山梨の「甲州印伝」。50年前まで門外不出だった技による、革と漆の手仕事です。

鹿革に漆で模様を付ける「甲州印伝」。1582年創業の〈印傳屋上原勇七〉甲府本店には、巾着や財布など印伝の小物が並ぶ。「革の色、漆の色、模様の組み合わせは数百種。選ぶのも迷うのも楽しい」とかしゆか店主。
何百年もの間、作り方も技術も門外不出のまま守られてきたーーそんな工芸が日本にはどれくらい残っているんでしょう。今回訪ねた革工芸「甲州印伝」の技もそのひとつ。1582年に創業した山梨県甲府市の〈印傳屋上原勇七〉では、昭和30年代まで370年以上、代々の家長にだけ秘法の技が口伝えで受け継がれました。
Buying No. 23【 甲州印伝の巾着 】 一子相伝の技を伝える「革」と「漆」の手仕事。
印伝とは染色した鹿革に、漆で模様をつける手仕事。語源は「印度伝来」で、技法そのものは1300年前からありましたが、印傳屋の遠祖・上原勇七が新たにオリジナルの技を開発。それが甲州印伝の始まりです。代表的な技は「漆付け」「燻べ」「更紗」の3種類。この日は「漆付け」と「燻べ」を見せてもらいました。

まずは漆付け。染色した鹿革の上に青海波や小花柄の型紙を重ね、その上から漆をヘラで摺り込みます。素早く、でもそっと丁寧に型紙を剥がした革の表面には、ふっくら盛り上がった漆の模様。ネイビーの革に白漆で青海波、赤い革に黒漆で小花模様……繊細なかわいらしさに目が釘づけです。

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