コーネリアスがツアーを開始。一体、どんなステージになる? | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

コーネリアスがツアーを開始。一体、どんなステージになる?

『カーサ ブルータス』2017年10月号より

前作『SENSUOUS』(2006年)のツアーでは、ライブ演奏と映像をピタッとシンクロさせ、フロアを驚愕させた。あれから11年。今回もいろいろなビジュアルの演出があるみたいで。

今年6月、11年ぶりの新作『Mellow Waves』を発表したコーネリアス。7月に行ったレコ発ライブでは、『POINT』(01年)以降のパフォーマンスを踏襲し、演奏と映像の完璧な同期を見せた。秋から始まるツアーを前に、今後のステージのアートワークや演出について話を聞いた。

Q 7月の恵比寿リキッドルームでのライブの開演前、スクリーンに皆既日食の太陽のような円(下写真)が映し出されていました。どういうイメージから?
アルバムをイメージした映像を流そうということで、映像ディレクターの中村勇吾さんに作ってもらいました。リキッドルームの前に一度ライブをやったんだけど、そのときは海面をたゆたう波をイメージした一本線をプロジェクションしていたんです。ところが、勇吾さんから“線にすると、視覚的にスクリーンの端で(線が)切れてしまう”ということで、それを円にしたんですよ。

Q 円がうねったりするのは、波だったからなんですね。
そこに波の音や環境音、瀧見(憲司)さんの選曲がのって。アルバムとリンクする、抽象的な世界観を出したかった。人によって、いかようにも見えるというか。
7月の恵比寿リキッドルームの様子。超満員の客席で円形の“波”を鑑賞!
© photo by Ryo Tanahashi
Q ライブ中の映像は?
アルバムジャケットになっている、銅版画家の中林忠良さんの作品をキービジュアルに、勇吾さんや辻川幸一郎くん、groovisionsの住岡謙次さんに作ってもらいました。また『FANTASMA』(97年)の頃の楽曲も演奏したんですが、その映像に関しては、当時自分でVHSのデッキを2台使い、ダビングとコラージュを繰り返した映像をそのまま使っています。

Q 高解像度HDと、粒子の粗いVHSの映像の差は歴然では?
全然違いますよね(笑)。VHSの画質なんてガビガビだし、編集も雑なんだけど、当時の機材でしかできないラフな感じが出ていて、面白いんですよ。

Q 10月からツアーが始まりますが、映像などの構成は?
新しい映像が追加されます。演奏と映像のリンクを、より効果的に楽しんでもらえるよう、できるだけ天井の高い会場を選んでいますね。演奏曲を決めてから、舞台監督さんと打ち合わせて。

Q ステージではストロボも効果的に使われてますね。
『POINT』の頃は危険な使い方をしていました。ラスト10分間、ストロボをたきっ放しにし、その間に白いシャツに黒いネクタイの衣装から黒いシャツに白いネクタイに着替えるという。今は映像が主軸なのと、年齢的にしんどいので(笑)、使用頻度が減りました。
小山田さんの後ろにあるのが、秋のツアーから使用されるストロボ兼照明。
© photo by Hideaki Hamada
Q アルバムは、アナログレコードでも発表されるんですか?
海外から10月にリリースされる予定。同時期に、日本国内では9月に「夢の中で」を7インチシングルで発表します。カップリングは「夢の奥で」という曲で、うちの家族の声をサンプリング/コラージュして作りました。僕の祖父でNHKアナウンサーだった田辺正晴や、うちと叔父の一家がテレビ番組『ラブラブショー』に出てしゃべっている声が残っていたんです。僕は当時5歳でした。

Q 『Mellow Waves』制作中、プリンスやかまやつひろしさんなど、時代を代表する音楽家が亡くなった。その喪失感、レクイエム的な気持ちがアルバムに反映されているとおっしゃってましたね。
直接的ではないけど。正晴さんは母方のおじいさんなんだけど、母がテープを持っていたので聞かせてもらって。僕が生まれる前に亡くなっているから、すごく不思議な気持ちで聞いていますね。

コーネリアス

小山田圭吾のソロプロジェクト。新作『Mellow Waves』を発表。10月9日の新潟LOTSから、11月4日の福岡DRUM LOGOSまで全国ツアーを開催。また、9月26日にはアナログEP『夢の中で/夢の奥で』の発売が決定。