ヒップホップ文化の原点を見せるドラマ『ゲットダウン』 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ヒップホップ文化の原点を見せるドラマ『ゲットダウン』

先日から配信がスタートしたネットフリックスの新オリジナルドラマ『ゲットダウン』は、ヒップホップが盛り上がりつつある70年代後半のサウスブロンクスから物語が始まる。少年たちのドラマの背景で、まったく新しいカルチャーが人々を巻き込んでいく様子をリアルに伝える。

「FORGET SAFETY BE NOTORIOUS」(リスクを恐れず 思い切り生きよ)は第4話のタイトル。
現在、最も影響力のあるデザイン評論家のアリス・ローソーンが、ネットフリックスの新作ドラマ『ゲットダウン』のオープニングを彼女のSNSで賞賛していた。本作は1970年代後半のニューヨークのサウスブロンクス地区を舞台に、ヒップホップで成功しようとする若者たちの姿を描く物語。毎回のオープニングでは、ラッパーとして大成した未来の主人公があらすじをラップし(その歌詞と声は人気ラッパーのNASが担当)、「GET DOWN」という言葉とその回のタイトルがグラフィティとして描かれた電車が走り抜ける。ヒップホップ好きの胸を熱くしそうな場面に、ローソーンのようなデザインのプロさえも反応したのがおもしろい。ちなみに本作は『ムーラン・ルージュ』などで知られる映画監督、バズ・ラーマンが初めて手がけるドラマシリーズ。全12話のうちパート1の6話までがネットフリックスで一挙配信されている。
DJチーム同士がバトルするDJランブルに挑むゲットダウンブラザーズ。前列右から2人目が主人公のエゼキエル。
主人公のエゼキエルは高校生で、環境に恵まれず夢もなかったが、知的で詩が得意だった。DJのシャオと運命的な出会いをした彼は、恋人のマイリーンからの刺激もあって、幼なじみのキプリング家の3兄弟とともにゲットダウンブラザーズというヒップホップチームを結成。ラッパーとして才能を発揮しはじめる。マイリーンもディスコ歌手を夢見ているが、牧師の父は躾が厳しく許してくれない。苦労を乗り越えながら、彼らは未知の一歩を踏み出していく……というのがシリーズ前半の流れ。犯罪とドラッグが蔓延し、廃墟同然の建物も多い当時のサウスブロンクスの環境が、彼らの日常と切り離せない背景になっている。
実在する伝説的なDJ、グランドマスター・フラッシュから、ターンテーブルを使ってビートをキープするテクニックを学ぶDJシャオ。