CULTURE
1月28日公開! ウェス・アンダーソン監督の最新作は雑誌のカバーイラストに注目。
『カーサ ブルータス』2022年2月号より
January 23, 2022 | Culture, Design | a wall newspaper | text_Housekeeper
1月28日(金)よりついに公開となるウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ』。物語の軸となる雑誌の表紙を手がけたイラストレーターに独占取材を敢行。制作方法から監督とのエピソードまで、話を伺いました。
ウェス・アンダーソン監督の最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』がいよいよ公開。架空の雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の最終号に掲載される1つのレポートと3つのストーリーを中心に展開する、監督の雑誌愛に溢れた作品だ。映画の“主役”とも言えるのが、『ニューヨーカー』誌をモデルにした『フレンチ・ディスパッチ』誌。劇中にもたびたび登場するこの雑誌の表紙を手がけたのが、スペイン・カダケスを拠点に活動するイラストレーター、ハビ・アスナレスだ。
Q 制作にあたり、監督とはどういったやりとりがありましたか。
ウェス監督は表紙のアイデアについて、私に多くの裁量を与えてくれました。まずいくつかのアイデアを監督に提示して、彼がベストだと思うものを選び、そこからイラストの構図を探し始めました。この構図を探す過程は制作プロセスの中で最も楽しいものでしたし、監督はよく話を聞いてくれました。彼は明確なアイデアと優れた審美眼を持った人でしたね。
Q 制作にあたり、監督とはどういったやりとりがありましたか。
ウェス監督は表紙のアイデアについて、私に多くの裁量を与えてくれました。まずいくつかのアイデアを監督に提示して、彼がベストだと思うものを選び、そこからイラストの構図を探し始めました。この構図を探す過程は制作プロセスの中で最も楽しいものでしたし、監督はよく話を聞いてくれました。彼は明確なアイデアと優れた審美眼を持った人でしたね。
Q 表紙のイラストは、どういった手法で制作されたのでしょうか。
映画の設定が20世紀中盤だったので、つけペンと黒インク(漫画などを描く際に用いる用具)を使いました。クラシックなタッチと質感を与えてくれ、とても心地よく作品を描くことができたのです。
Q 雑誌のモデル『ニューヨーカー』も表紙がとても重要な役割を担っている雑誌ですが、作品を制作する際に意識はしましたか。
『ニューヨーカー』の作品を調べたりもしましたが、私はこの『フレンチ・ディスパッチ』誌自体に個性を持たせたかった。バカバカしい模倣にはしたくなかったのです。(作品の舞台での)フランスに関するビジョンに意識を集中して制作を始め、自分の持つブラックユーモアを忠実に表現しました。
映画の設定が20世紀中盤だったので、つけペンと黒インク(漫画などを描く際に用いる用具)を使いました。クラシックなタッチと質感を与えてくれ、とても心地よく作品を描くことができたのです。
Q 雑誌のモデル『ニューヨーカー』も表紙がとても重要な役割を担っている雑誌ですが、作品を制作する際に意識はしましたか。
『ニューヨーカー』の作品を調べたりもしましたが、私はこの『フレンチ・ディスパッチ』誌自体に個性を持たせたかった。バカバカしい模倣にはしたくなかったのです。(作品の舞台での)フランスに関するビジョンに意識を集中して制作を始め、自分の持つブラックユーモアを忠実に表現しました。
Q パン屋泥棒や溺れている人をデッサンしている男など、どこかダークな作品が多いのは、ご自身のブラックユーモアが理由なのですね。最後に、実際に出来上がった映画をご覧になっていかがでしたか。また本作の中で、最もお気に入りのストーリーは。
最初に見た時から大好きになりました! 特に(第一部の)『確固たる名作』は1本分の映画に値しますね。ベニチオ・デル・トロとエイドリアン・ブロディの演技は本当に素晴らしかったです。
最初に見た時から大好きになりました! 特に(第一部の)『確固たる名作』は1本分の映画に値しますね。ベニチオ・デル・トロとエイドリアン・ブロディの演技は本当に素晴らしかったです。
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
架空のアメリカの新聞『カンザス・イヴニング・サン』の別冊『フレンチ・ディスパッチ』を舞台にした群像劇。出演はビル・マーレイ、ティモシー・シャラメ他。1月28日より全国公開。
ハビ・アスナレス
イラストレーター。スペイン生まれ。スペイン・カダケスを拠点に、国外でも個展を開催。本作では映画ポスターや、劇中に流れるアニメーション『愛しのアリーヌ』も手がけた。