甲斐みのりが訪ね、食べ歩き、偏愛する全国のおやつ6選。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

甲斐みのりが訪ね、食べ歩き、偏愛する全国のおやつ6選。

「食べたお菓子は、いつかの旅先、その目印。そして何より、その街の文化です」と、文筆家の甲斐みのりさん。47都道府県180軒もの店のおやつを紹介する著書『にっぽん全国おみやげおやつ』から、味にデザイン、お菓子が生まれた背景まで楽しめる6品を選んで紹介してもらいました。

●美しい夜景に歓声があがる〈長門屋〉の羊羹ファンタジア。

福島県《羊羹ファンタジア Fly Me to The Moon》長門屋 3,500円。公式サイト:https://nagatoya.net/ 写真:米谷享
福島・会津若松で1848(嘉永元)年から続く和菓子屋の看板商品のひとつ、「Fly Me To The Moon」という菓銘を戴く美しい羊羹。

「月が三日月からだんだんに満ちていき、青い鳥が夜空を羽ばたく、なんとも芸術的なデザインの羊羹です。どこに包丁を入れるかによって違う景色があらわれるので、何人かで一緒に食べるときにもおすすめ。『にっぽん全国おみやげおやつ』では『野のはなとちいさなとり』という絵本と一緒に紹介していますが、こんなふうに、連想する絵本を選んでセットで贈っても喜ばれると思います。

小豆羊羹、レモン羊羹にシャンパン錦玉羹が層を作り、トップにクルミとドライフルーツを載せたバランスのよい味わいは、歴史ある和菓子店ならでは。もともと “会津駄菓子”と呼ばれる郷土菓子を作るところからスタートした〈長門屋〉さんは、みそ味の滋養パンを取り寄せたところからファンになってお店を訪ねるようになり、ときおりお店のホームページを見ては新商品が出ると取り寄せています」

●時を経てなお新しい、早川良雄デザインの〈G線〉のクッキー缶。

兵庫県《G線 ハンドメイドクッキー缶 A》(8種入り)G線 3,888円。公式サイト:http://www.g-sen.com/ 写真:米谷享
グラフィックデザイナー早川良雄が、1952年の創業当時からパッケージや印刷物の一切をデザインを手がけてきた神戸の洋菓子店〈G線〉。表情豊かな文字が並ぶクッキー缶は、まずそのデザインでうならせる。

「西日本、特に関西の方にはなじみ深い洋菓子店〈G線〉。ご実家にこの缶があった方や、小さな頃から知っていたという方も多いのではないかと思いますが、白地にカラフルなレタリングが並ぶこのクッキー缶が、昭和を代表するグラフィックデザイナー早川良雄さんのお仕事だと改めて知ることで、ずっと身近に感じてきたデザインも新鮮に見えるかもしれません。

〈G線〉は本店の喫茶ルームも素晴らしいので、このクッキー缶を、神戸へ旅する、お店を訪ねるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。食べて、訪ねて、もっと好きになる、そんな楽しみ方を共有したいという気持ちもこめて、お世話になったデザイナーさんなどにお贈りすることも。クッキーは個包装なのでオフィスなどへの差し入れにもおすすめです」

●イラスト仕事も一緒に味わう〈二宮〉の南方熊楠っまんじゅう&〈ピープルツリー〉のチョコレート。

(左から)和歌山県《南方熊楠っまんじゅう》菓匠 二宮 (8個入り)2,160円。公式サイト:https://www.amato-ninomiya.com/ 東京都《フェアトレードチョコ》ピープルツリー 秋冬限定 各378円。公式サイト:https://www.peopletree.co.jp/ 写真:米谷享
マッチ箱のような小さな箱に絵と文章がかきこまれた〈菓匠 二宮〉の南方熊楠っまんじゅうと、果物やナッツ、動物の線画がかわいい〈ピープルツリー〉のフェアトレードチョコレート。イラストレーター大神慶子さんによるイラスト&パッケージデザインが目を引く2点だ。

「生物学、博物学、民俗学などを研究した南方熊楠が半生を過ごした和歌山・田辺〈二宮〉の《南方熊楠っまんじゅう》は、アンパンが大好きで、好きな人にもプレゼントしたりしていたという熊楠のエピソードにちなみ、フワッとしたパンのような生地であんこを包んだおまんじゅうです。個包装になった箱は8種類あり、中箱を引き出すと大神慶子さん自身が調べあげた熊楠情報がびっしり書きこまれていて、読むお菓子とも呼びたくなる一品です。

〈ピープルツリー〉のフェアトレードカカオで作られる板チョコは、食のセレクトショップや一部のスーパーでも取り扱われていて手に入れやすく、お値段もワンコイン以下で種類も豊富。手紙と一緒に封筒に入れたり、ちょっとしたお礼としてお渡ししたり、手軽で気軽な贈り物としても重宝します」

●東京土産の鉄板〈さかぐち〉の京にしきは、型絵染&民藝好きにも。

東京都《京にしき缶》(
300g)さかぐち 4,500円。 公式サイト:https://sakaguchi-arare.com/ 写真:米谷享
「御あられ処」と銘打った、あられ・せんべい・かきもち専門店の名品。味だけでなく、型絵染作家・鳥居敬一の仕事を堪能できるおとなのおやつ。

「東京土産の代表として、目上の方への贈り物にも、自信をもっておすすめしたいのが市ヶ谷〈さかぐち〉の京にしき。百貨店などへの卸もなく支店も持たない、一店舗主義を貫く名店の一品です。ふわりと立ちのぼる海苔の風味とバリッとした歯応え、薄づくりのあられがとにかく美味。さらに、 “あられ・せんべい・かきもち”と文字が並ぶ包装紙、“東京風味”の掛け紙と“ごあいさつ”が刷られたカード、そして蓋を開けてせんべいがずらりと並ぶ風景まで、舌だけでなく目もたっぷり楽しませてくれます。

味わい深いパッケージデザインは型絵染作家の鳥居敬一さんのお仕事。息子の鳥居秀見さんが遺志を継ぎデザインされている、季節ごとに配られるマッチや手ぬぐいを求めて、折々に店へ足を運びたくなります」

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