VEHICLE
Chill CARS|クラシックさとモダンさを兼ね備えた、隠れた傑作。
『カーサ ブルータス』2022年11月号より
October 9, 2022 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
〈ボルボ〉のシグネチャーといえば、日本でもヒットしたステーションワゴンの傑作《240》。生産が終わって30年近く経った今なお、高い人気を誇る。
その理由のひとつに、原設計が60年代ゆえの、ノスタルジーを感じさせるスタイルが挙げられよう。
その《240》の後継モデルとして、〈ボルボ〉は1984年に《740》を発表。フォルムからディテールまで、すべてを定規で引いたようなデザインは、〈ボルボ〉の新世代を担う旗手にふさわしいものだった。
そして1990年には、《740》の改良版として《940》が登場。90年代の流行に応じ、ヘッドライトの大型化、およびグリルを傾斜させるなど各部デザインをアップデート。空力性能も改善していた。50年代からクルマの安全性を訴求してきた〈ボルボ〉らしく、世界初の格納式チャイルドシートの採用もトピックだった。
《940》は、価格的には高級車に属するモデルだが、高級の代名詞でもあるメッキパーツの使用は最小限。華美ではなく品位があるのは、〈ボルボ〉のクルマに共通の美点だ。さらに、直線基調の四角い車体、乗り込むと上半身が外から見えるほどに大きく開放的な窓は、今や十分にクラシカル。現世代の〈ボルボ〉では得がたい、強い個性となっている。
モダンさも兼ね備える《940》は《240》の次に注目される “クラシック・ボルボ” となるに違いない。
その《240》の後継モデルとして、〈ボルボ〉は1984年に《740》を発表。フォルムからディテールまで、すべてを定規で引いたようなデザインは、〈ボルボ〉の新世代を担う旗手にふさわしいものだった。
そして1990年には、《740》の改良版として《940》が登場。90年代の流行に応じ、ヘッドライトの大型化、およびグリルを傾斜させるなど各部デザインをアップデート。空力性能も改善していた。50年代からクルマの安全性を訴求してきた〈ボルボ〉らしく、世界初の格納式チャイルドシートの採用もトピックだった。
《940》は、価格的には高級車に属するモデルだが、高級の代名詞でもあるメッキパーツの使用は最小限。華美ではなく品位があるのは、〈ボルボ〉のクルマに共通の美点だ。さらに、直線基調の四角い車体、乗り込むと上半身が外から見えるほどに大きく開放的な窓は、今や十分にクラシカル。現世代の〈ボルボ〉では得がたい、強い個性となっている。
モダンさも兼ね備える《940》は《240》の次に注目される “クラシック・ボルボ” となるに違いない。
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