TRAVEL
【特別連載】皆川 明の旅の日記 #2
July 12, 2017 | Travel, Design, Fashion | casabrutus.com | photo & text_Akira Minagawa
6月、北欧に出かけたミナ ペルホネンデザイナー皆川 明が、旅の合間に見つけたあれこれを綴ります。
6月18日
2日目。
今朝は4時半に目覚めました。 鳥のさえずりが遠くに、近くに聞こえてきます。
今回の旅は、将来の安価な宿を良い景色のある場所に作りたいという想いに沿って、宿を予約しました。ここはオーナーの両親の家をほとんどそのまま改装せずに宿としています。人の家に泊まっているようです。共同シャワー、共同トイレの一泊55ユーロのB&Bです。個室ですし窓からの景色が最高なので充分です。オーナーは鍵を渡して居なくなるというのもユニーク。朝食付きのairbnbのような感じです。
2日目。
今朝は4時半に目覚めました。 鳥のさえずりが遠くに、近くに聞こえてきます。
今回の旅は、将来の安価な宿を良い景色のある場所に作りたいという想いに沿って、宿を予約しました。ここはオーナーの両親の家をほとんどそのまま改装せずに宿としています。人の家に泊まっているようです。共同シャワー、共同トイレの一泊55ユーロのB&Bです。個室ですし窓からの景色が最高なので充分です。オーナーは鍵を渡して居なくなるというのもユニーク。朝食付きのairbnbのような感じです。
花曇りの天気は光が穏やかで遠くの湖が微かに輝いています。
白樺の葉の擦れる音が僕にとってのフィンランドの音の記憶だなと気づきました。 朝食はシンプルなビュッフェでしたが十分なものでした。 4組のゲストと一緒でしたがみんなフィンランドの別の場所から来ていました。 ミナ ペルホネンの紹介をすると二人の人は知ってくれていて友人の美大の先生がミナ ペルホネンのファンだと言っていました。とても小さなB&Bの偶然の出会いの中にもミナ ペルホネンを知ってくれている人がいるというのはうれしいですね。
次の宿まではタクシーを使わず送ってくれる人がいるか聞いて近所の人が送ってくれることになりました。双子の子持ちのイタリア人の青年です。昔も良く短い距離をヒッチハイクして移動しました。
10時半、フイスカルス村に到着。ホテルもとても心地よさそう。 フイスカルスで作られた砂糖無添加のシードル! スッキリしていてとても美味しいので、オーナーとアポイントを取って明日会うことにしました。スタッフの人いわく今のところこのエリアだけで売っているそうです。
デザートワインも美味しかった!
デザインもきれい。
白樺の葉の擦れる音が僕にとってのフィンランドの音の記憶だなと気づきました。 朝食はシンプルなビュッフェでしたが十分なものでした。 4組のゲストと一緒でしたがみんなフィンランドの別の場所から来ていました。 ミナ ペルホネンの紹介をすると二人の人は知ってくれていて友人の美大の先生がミナ ペルホネンのファンだと言っていました。とても小さなB&Bの偶然の出会いの中にもミナ ペルホネンを知ってくれている人がいるというのはうれしいですね。
次の宿まではタクシーを使わず送ってくれる人がいるか聞いて近所の人が送ってくれることになりました。双子の子持ちのイタリア人の青年です。昔も良く短い距離をヒッチハイクして移動しました。
10時半、フイスカルス村に到着。ホテルもとても心地よさそう。 フイスカルスで作られた砂糖無添加のシードル! スッキリしていてとても美味しいので、オーナーとアポイントを取って明日会うことにしました。スタッフの人いわく今のところこのエリアだけで売っているそうです。
デザートワインも美味しかった!
デザインもきれい。
フイスカルスのランチはガストロミー的なモダンレストランへ。フィンランドではまだ珍しいビオワインもありました。バターもフィンランドのバターで発酵の効いていて、エシレより特徴がありました。パンも自家製。メニューになかったグリーンサラダをオーダーしたら、ズッキーニだけで少しスモークグリルしていて香りがとてもよいアクセントに。即興なのに工夫がありました。
メインディッシュはスズキのフリット。小麦をとても軽くフリットしていて中は軽く火が入る程度で殆どレア。食感が素晴らしかった。フイスカルスの限られたエリアの中でこのクオリティは素晴らしいと思いました。 グリーンのソースは多分枝豆的な豆のソース。合わせ方も面白いです。
サービスのスタッフも説明もホスピタリティも心地よくて感心してしまいます。明日の夜も予約してみました。ディナーのクオリティも楽しみです。
若い頃にはできなかった料理を楽しむ時間。ありがたいです。 食も布もレシピが大切だと実感します。新しいアイデアが驚かしではなくきちんと調和していることが大事です。
ランチの後は2時間昼寝してフィンランドテキスタイルデザインのお店へ。スタッフから日本のミナ ペルホネンを知っているかと聞かれ、デザインをしていると言ったらオーナーもスタッフもミナ ペルホネンのファンだと言われ、オーナーも会いにきてくれました。オーナーもテキスタイルデザイナーでした。テキスタイルの学校でミナ ペルホネンの事はみんな知っていると言っていました。うれしいことです。
そのお店でニットのルームシューズを買いました。
メインディッシュはスズキのフリット。小麦をとても軽くフリットしていて中は軽く火が入る程度で殆どレア。食感が素晴らしかった。フイスカルスの限られたエリアの中でこのクオリティは素晴らしいと思いました。 グリーンのソースは多分枝豆的な豆のソース。合わせ方も面白いです。
サービスのスタッフも説明もホスピタリティも心地よくて感心してしまいます。明日の夜も予約してみました。ディナーのクオリティも楽しみです。
若い頃にはできなかった料理を楽しむ時間。ありがたいです。 食も布もレシピが大切だと実感します。新しいアイデアが驚かしではなくきちんと調和していることが大事です。
ランチの後は2時間昼寝してフィンランドテキスタイルデザインのお店へ。スタッフから日本のミナ ペルホネンを知っているかと聞かれ、デザインをしていると言ったらオーナーもスタッフもミナ ペルホネンのファンだと言われ、オーナーも会いにきてくれました。オーナーもテキスタイルデザイナーでした。テキスタイルの学校でミナ ペルホネンの事はみんな知っていると言っていました。うれしいことです。
そのお店でニットのルームシューズを買いました。
その後の散歩で素晴らしい景色に出会いました。タンポポの群生地です。目線を下げてみるとまるで満天の星空のようでした。マリメッコでも素敵なタンポポの柄がありましたが、フィンランド人にとって大切な春を告げる桜のような存在なのかもしれません。
今日は日曜日ということでレストランやカフェは全て4時で閉まってしまいました! ホテルのレストランも! 思わず “聞いてないよ~!” って感じです。ランチをしっかり食べておいて良かったです。 こういうハプニングも面白いです。ホテルの庭で鳥のさえずりを聴きながらショップからの日報にゆっくり目を通しています。
人もいない静かな街にいるのは久しぶりです。鴨の親子を眺めたりフィンランドの小さなカラスの遊んでいるのを見ているだけの時間の中で、脳が休んでいるのを感じます。ここからゆっくりとアイデアを受け止める頭の中になっていきそうです。
今は午後8時、まだまだ明るいです。
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今日は日曜日ということでレストランやカフェは全て4時で閉まってしまいました! ホテルのレストランも! 思わず “聞いてないよ~!” って感じです。ランチをしっかり食べておいて良かったです。 こういうハプニングも面白いです。ホテルの庭で鳥のさえずりを聴きながらショップからの日報にゆっくり目を通しています。
人もいない静かな街にいるのは久しぶりです。鴨の親子を眺めたりフィンランドの小さなカラスの遊んでいるのを見ているだけの時間の中で、脳が休んでいるのを感じます。ここからゆっくりとアイデアを受け止める頭の中になっていきそうです。
今は午後8時、まだまだ明るいです。
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皆川 明
みながわあきら 〈ミナ ペルホネン〉デザイナー。1995年にブランドを設立。生地から手がける服は独特の世界観をもつ。近年では家具、食器、インテリアファブリックなどのデザインも手がけ、活動の幅を広げている。2016年には青山にライフスタイルショップ〈call〉、2017年には代官山に素材を売る店〈マテリアリ〉、金沢に町家を改装した〈ミナ ペルホネン金沢店〉など新店も続々。著書多数。本誌からも書籍『今日のまかない』特別編集ムック『ミナ ペルホネンと皆川 明』を発刊。