TRAVEL

福岡・油山にアウトドアを満喫できるスノーピークの新施設が登場。谷尻誠が設計した宿泊棟も話題です。

June 27, 2024 | Travel, Architecture, Design | casabrutus.com | text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano

スノーピークの新施設〈Snow Peak YAKEI SUITE ABURAYAMA FUKUOKA〉が4月、福岡にオープン。サポーズデザインオフィスの谷尻誠が設計した宿泊施設で楽しむ、新たなアウトドア体験とは？

広々とした丘に立つ「COTTAGE」は、“森の中のリビング” がテーマ。

“アウトドアラグジュアリー” を体現した贅沢な「VILLA」は4名まで宿泊可能。

福岡市にある複合体験型アウトドア施設〈ABURAYAMA FUKUOKA〉内にオープンした、宿泊施設〈Snow Peak YAKEI SUITE ABURAYAMA FUKUOKA〉（以下〈YAKEI SUITE〉）は「VILLA」1棟、「COTTAGE」3棟、「TENT」10棟の計14棟を擁し、うち「VILLA」と「COTTAGE」の設計をサポーズデザインオフィスの谷尻誠が手掛けた。

施設がコンセプトとして掲げているのは、「然りとて還る」。人は快適な都市での暮らしで、自然の一部であることを忘れてしまいがち。“然りとて” 人は、自然のぬくもりや癒やしを求めて自然に還る。そして、五感で感じたエネルギーを持って、“然りとて” 日常に還っていく──。そんなストーリーを描き、「全ての人の戻る場所」を作り上げた。

施設が立つ油山は、市街地から車で20～30分、福岡空港からも30～40分という好立地。仕事終わりにキャンプをしたり、週末に気楽に足を運んでのんびり過ごしたりできる場所だからこそ、谷尻は「身近にある自然の豊かさを顕在化する建築」を目指したと言う。

「VILLA」のアウトドアリビングは、絵画を眺めるように自然の移ろいを感じられる空間。リビング奥には薪ストーブも設置されている。

木漏れ日が差す「COTTAGE」のアウトドアリビングは、まるで森の中にいるような感覚に。

寒い日にはサウナで暖をとり、暑い夏は水風呂で涼をとる。

何より、今回の建築の象徴と言えるのが、壁を持たない “アウトドアリビング”。風が吹き抜けるその外空間は、客室と油山の風景をシームレスにつなぎ、ゆっくりと“自然に還る”ことを促してくれる。そこで、自然が発する暑さや寒さを体感することで、自然本来の姿をそのまま楽しむことを思い出させてくれるだろう。

アウトドアリビングには、「COTTAGE」「VILLA」ともにセルフロウリュウができるプライベートサウナと、屋外の水風呂を設置。また、オリジナルのボトルデザインを施した「NEMOHAMO」のシャンプー＆トリートメントや、久留米発のブランド「SOEL」のコスメ、「IKEUCHI ORGANIC」のオーガニックコットン100％の今治タオルなど、心地よい時間をサポートするアメニティも揃っている。