DESIGN
手触りと温かみがデザインされた森のホテル〈ル・バーン〉。
『カーサ ブルータス』2019年3月号より
March 6, 2019 | Design, Travel | window on the world | photo_Nomades text_Chiyo Sagae
パリの南西約50km、14世紀の築城以来、歴代の王や貴族が所有したランブイエの森は、その広大な規模と自然環境を今に残す。このハイソでラグジュアリーなイメージの強い地に軽やかで現代的なカントリースタイルのホテル〈ル・バーン〉が完成した。
「納屋」を意味する単語をホテル名に冠し、「普通であること」の軽快さと心地良さを追求したクリエイターチームは実力派揃い。建築家のクリストフ・ヴェルノーは、19世紀の麦貯蔵庫のメタル構造を生かし松材と漆喰で宿泊棟を仕上げるなど、ランブイエの歴史を支えた農業遺産に着目。
スタジオ・ビーポールは特定のスタイルにとらわれず、機能と温かみのある素材感を主軸に家具や内装をカスタムした。乗馬やサイクリングに草上のランチなど、豊かな滞在時間を追求してたどり着いた新時代の"ノーデザイン"ホテルだ。
〈LE BARN〉Moulin de Brétigny, Commune de Bonnelles, France TEL (33)1 86 38 00 00。