DESIGN
【今週の花と器】シャンデリアリリー(コサージュ)と〈AJI PROJECT〉の《KISEKI》|7月
July 3, 2023 | Design | casabrutus.com | photo_Kiyoe Ozawa text_Yoshikatsu Yamato styling_Yumi Nakata
7月1週目の担当は、祐天寺にある花屋〈チビ〉を営む芳賀規良さん。7月にさしかかり気温、湿度ともにいよいよ夏本番。うだるような暑さで気分までだらっとしてしまいますが、そんなときは凛とした姿の花を飾ってみませんか。夏に旬を迎えて暑さに強いユリの一種、シャンデリアリリーに石と木で構成された潔い器を合わせると部屋の雰囲気がすっと引き締まります。
石と木を組み合わせた潔い形の器は、自然物ならではの強さがあります。そのオブジェとしてのインパクトに負けない夏の花は、ユリだろうと思いました。このコサージュという品種は斜め下を向いて花が咲くので下から見上げると美しいのです。それで、長さは残すことにしました。
活け方のポイントとしては、まず下の葉を間引いています。モサッとしているのはユリや今回の器の凛とした雰囲気に合いません。また、器の口に突っかからないよう葉を取り除きました。器の口からすぐに葉が出てくるのではなく、裸の茎が見える部分を余白として作っています。そうすると、器に葉が干渉しないだけでなく、茎の縦の軸がはっきりと見えてくる。今回は蕾なので花の顔に視線が取られず、一歩引いた慎ましい佇まいが強調できたように思います。
とはいえ、蕾であろうと旬の花は訴える力が強い。ユリは1年中花屋に出回る花材ですが、旬の時期は特に花の力がみなぎっています。野菜や果物にしてもそうでしょう。八百屋に並んだ季節のものにはハッとするような強さがある。そういうものを部屋に活けたいですね。ユリはぎゅっと閉じた蕾にも見応えがあります。花にはそのように咲き誇った姿だけではなく静寂ゆえの強さもあると思うのです。
活け方のポイントとしては、まず下の葉を間引いています。モサッとしているのはユリや今回の器の凛とした雰囲気に合いません。また、器の口に突っかからないよう葉を取り除きました。器の口からすぐに葉が出てくるのではなく、裸の茎が見える部分を余白として作っています。そうすると、器に葉が干渉しないだけでなく、茎の縦の軸がはっきりと見えてくる。今回は蕾なので花の顔に視線が取られず、一歩引いた慎ましい佇まいが強調できたように思います。
とはいえ、蕾であろうと旬の花は訴える力が強い。ユリは1年中花屋に出回る花材ですが、旬の時期は特に花の力がみなぎっています。野菜や果物にしてもそうでしょう。八百屋に並んだ季節のものにはハッとするような強さがある。そういうものを部屋に活けたいですね。ユリはぎゅっと閉じた蕾にも見応えがあります。花にはそのように咲き誇った姿だけではなく静寂ゆえの強さもあると思うのです。
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