DESIGN
光が降り注ぐ、紙の庭。〈アトリエ・オイ〉と〈スプレッド〉の「ペーパーガーデン」開催中。
| Design, Architecture | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai photo_Junpei Kato
スイスの建築デザイン事務所〈アトリエ・オイ〉と日本のデザインデュオ〈スプレッド〉が共同で行うインスタレーション「ペーパーガーデン」が、スパイラルで開催中だ。
スパイラルといえば、建築家、槇文彦が1985年に設計を手がけたポストモダニズムの代表的建築物の一つ。その複雑かつ独創的な構造はオープンから20年以上を経た現在でも、多くの人々を惹きつけている。展示スペースとなったスパイラル1Fのスパイラルガーデンは、半円形の大きな天窓から柔らかな自然光が大きなスロープを備えたアトリウムへと降り注ぐ。アトリエ・オイとスプレッドは、この空間の魅力をつぶさに捉えながら、コンセプトを練り上げた。
「アトリウムを見たときに、まっさきに目に映ったのが、まるで森の中を散策しているときに感じる木漏れ日のような光でした。本展では天井からこぼれ落ちる陽を、美濃和紙を使って不規則にきらめく小さく美しい光の表現へと転化しています」
そう語るアトリエ・オイは、長年取り組んでいる岐阜県の伝統工芸品である美濃和紙を使った巨大なモビール「Honminoshi Garden」を天井から幾重にも重ねて吊るした。
「アトリウムを見たときに、まっさきに目に映ったのが、まるで森の中を散策しているときに感じる木漏れ日のような光でした。本展では天井からこぼれ落ちる陽を、美濃和紙を使って不規則にきらめく小さく美しい光の表現へと転化しています」
そう語るアトリエ・オイは、長年取り組んでいる岐阜県の伝統工芸品である美濃和紙を使った巨大なモビール「Honminoshi Garden」を天井から幾重にも重ねて吊るした。
一方で、スプレッドは自身がディレクションを務める“色を貼る”ことをコンセプトに新たに開発された「HARU stuck-on design;」の和紙テープを使い、カラフルなウォールインスタレーションを展開。
「アトリウムの壁に見えるスリット状の窓は、まるで天井から差し込む光の筋を表しているようにも見えます。私たちはそのラインからインスピレーションを受け、和紙テープを使って空間の独自性と光の様子をグラフィカルに表現してみました」
「アトリウムの壁に見えるスリット状の窓は、まるで天井から差し込む光の筋を表しているようにも見えます。私たちはそのラインからインスピレーションを受け、和紙テープを使って空間の独自性と光の様子をグラフィカルに表現してみました」
アトリエ・オイとスプレッドは、ともに和紙という日本独自の素材を使いながら、光と影、そして静と動のはざまに揺れ動く日本の豊かな感性とスパイラルガーデンの美しい空間とを見事に融合させている
Paper Garden atelier oï and SPREAD
〈スパイラルガーデン〉
〜9月11日(日)。11:00〜20:00。
