DESIGN
選んで、買って、深く知る。ミュージアムグッズの魅力。
『カーサ ブルータス』2021年9月号より
August 12, 2021 | Design, Art | a wall newspaper | photo_ROCO text_Housekeeper
センスや遊び心溢れるミュージアムグッズ。そこには陰で奮闘する学芸員や研究者の存在が。知られざる魅力を教えてもらいました。
雑貨から食品まで、趣向を凝らしたグッズが、見るものを魅了するミュージアムショップ。
「ミュージアムを映画にたとえるなら、ショップはそれを総括し、余韻に浸って楽しめるエンドロールのようなもの。エンドロールが映画の一部であるように、ショップも作品展示の一環です」
そう話すのは、『ミュージアムグッズのチカラ』の著者で、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さん。各グッズは、単なる「おみやげ」にとどまらない。ミュージアムが伝えたいメッセージが色濃く反映されているという。
「グッズは文化の保護や継承といったミュージアムの使命を果たすためのメディアでもあります。各ミュージアムの歴史や収蔵品、研究から何を伝えたいか、何を大事にしているかという姿勢が形に落とし込まれています」
「ミュージアムを映画にたとえるなら、ショップはそれを総括し、余韻に浸って楽しめるエンドロールのようなもの。エンドロールが映画の一部であるように、ショップも作品展示の一環です」
そう話すのは、『ミュージアムグッズのチカラ』の著者で、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さん。各グッズは、単なる「おみやげ」にとどまらない。ミュージアムが伝えたいメッセージが色濃く反映されているという。
「グッズは文化の保護や継承といったミュージアムの使命を果たすためのメディアでもあります。各ミュージアムの歴史や収蔵品、研究から何を伝えたいか、何を大事にしているかという姿勢が形に落とし込まれています」
建物の意匠に焦点を当て、緻密なディテールでその魅力を伝える逸品や、収蔵品や標本の保存の重要性を伝えるもの、その土地の伝統工芸と結託して地域性を打ち出しているものなど、託されたメッセージはさまざまだ。
さらに、商品化に至るまでには長い道のりが。学芸員が学術的な整合性を綿密に検証する必要があり、完成までに数年の歳月を費やすものも。ショップに置かれているグッズのひとつひとつは創造力と飽くなき探究心の賜物なのだ。
「グッズの持つ背景に想いを馳せることで、ミュージアム巡りがより一層奥深い体験になるはずです」
さらに、商品化に至るまでには長い道のりが。学芸員が学術的な整合性を綿密に検証する必要があり、完成までに数年の歳月を費やすものも。ショップに置かれているグッズのひとつひとつは創造力と飽くなき探究心の賜物なのだ。
「グッズの持つ背景に想いを馳せることで、ミュージアム巡りがより一層奥深い体験になるはずです」
『ミュージアムグッズのチカラ』
かわいいものからマニアックなものまで全国の美術館・博物館からセレクトしたおすすめのグッズを紹介。各グッズのこだわりやスタッフのインタビューによる開発秘話も。国書刊行会/1,980円。
かわいいものからマニアックなものまで全国の美術館・博物館からセレクトしたおすすめのグッズを紹介。各グッズのこだわりやスタッフのインタビューによる開発秘話も。国書刊行会/1,980円。
おおさわなつみ
北海道大学大学院で博物館経営論をベースとしてミュージアムグッズの研究に取り組む。会社員を経て、ミュージアムグッズ愛好家として活動中。