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歴史に残るコラボレーション作品が勢揃い。『LOUIS VUITTON &』開催中|石田潤のIn The Mode
April 5, 2021 | Design, Art, Fashion | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Mio Koumura
原宿〈jing〉で開催中の『LOUIS VUITTON &』。ルイ・ヴィトンが160年以上にわたり、クリエイターと共に作り上げてきたコラボレーション作品が一堂に介する必見の展覧会だ。
思えばルイ・ヴィトンほどアーティストとがっぷり四つに組み、コラボレーションを行ってきたブランドはなかった。その本気度、そして出来上がったもののクオリティの高さに圧倒される展覧会『LOUIS VUITTON &』が原宿〈jing〉で始まった。
『LOUIS VUITTON &』と題された展示では、1854年の創業以来、生み出されてきたコラボレーションの数々が一堂に介する。展示はテーマごとに分けられ、会場に入るとまず出迎えてくれるのは、池田亮司によるマルチメディア・インスタレーション《クリティカルポイント》だ。天井から吊り下げられたスクリーンに映し出されるのは、地球の衛星画像にさまざまなデータをマッピングした映像で、床に設置されたミラー面にも映り込む。本展のために制作された作品は、これから始まるクリエイションの旅の導入部ともなる。
続いて登場するのは、メゾンの創業者であるルイ・ヴィトン(1821〜1892年)の肖像画が架けられた《ルイ・ヴィトン:受け継がれる真髄(こころ)》の部屋だ。若き日のルイ・ヴィトンをイメージし肖像画を制作したのは、アレックス・カッツ、厳培明、レフィック・アナドルの3名。この部屋にはアート作品の運搬用に作られたトランクも展示され、その中には2018年に日本で開催されたフェルメール展のために制作されたものも含まれる。名画《牛乳を注ぐ女》を輸送するため、〈アムステルダム国立美術館〉が依頼したトランクで、外装には作品から着想された黄色と青の線が入っている。なんとも粋な計らいだ。
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illustration Yoshifumi Takeda
石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。
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