DESIGN
ニューヨークの超人気者、Roman & Williamsが来日!
June 25, 2014 | Design | a wall newspaper | text: Mika Yoshida interview: David G. Imber editor: Yuka Uchida
エースホテルNYを手がけるなど、今、最も旬なインテリアデザイナー、ローマン&ウィリアムス。来日直前の2人をオフィスに直撃しました。
Q あなたたちの作品集が、いよいよ日本で出版されますね。
ロビン(以下R) 初の海外版が日本で、とっても嬉しいわ! 私たちは大の日本好き。アメリカでは美とは「はぎ取られる」ものだけど、日本だと美は「愛でるもの」。知性と美とが共存する日本のような国は、世界中のどこを探してもほかにありません。
スティーヴン(以下S) 日本語はまるで話せないのに、アメリカよりも日本にいるときの方がうまくコミュニケーションできるんだ(笑)。アメリカ人は言葉至上主義だが、日本人はささいな表情やしぐさで心を読み取り合うからね。
Q あなたたちのつくる空間は、さまざまな要素のミックスが魅力のひとつですね。ホテルやレストラン、住宅も。
S 若いころ、自分はパンクだ、いや俺はディスコ派だって周りはスタイルの定義に躍起だったが僕は「パンクディスコ」(笑)。互いに矛盾しようが、どっちもアリでいいじゃないかと。あらゆるモノから選び取る。今もその精神だね。
R 高価なものと、安価なものを混在させるのが好きですね。例えばエースホテルNYのロビー。非常に値の張るソファやスツールの横に、アンティークマーケットで買った15ドルほどの椅子を置いてるんですよ。当初、私たちの提案にオーナーの故アレックス・カルダーウッドは「……マジで?」って。私は彼にコックリとうなずきながら「マジよ」って。(笑)
Q あのロビーにそんな秘密があったとは! 全体から醸し出される独特の風情は、そんな隠れた仕掛けからも来ているんですね。
R あと、振り幅の大きさもR&Wの強みですね。住宅にしても、例えば女優グウィネス・パルトロウの自宅は雲の上を漂うような天国っぽい内装。片や俳優ベン・スティラーのは、男っぽくゴツいインテリア。両者似ても似つかないものに仕上がっています。
Q ヴィンテージ家具やタイムレスな素材を使いながらも、ノスタルジーとは異質の洗練さですね。
S LA出身の僕は、家は建て売り住宅、遊びに行くのはショッピングモールという人工的な世界で育った。だからアメリカのアンティークには懐かしさではなく、新鮮な興味を覚えるんだ。古い建築に対しても郷愁はなく、むしろ外からの視点で味わっているね。
R 私たちはどちらも、ヒッピーな両親に育てられたの。ガチガチに堅実だった彼らの親たち、つまり祖父母への反発だったのね。
Q ローマンとウィリアムスが、そのお祖父さんたちの名前ですね。
R そう。私たちがこうして祖父母の時代を思わせる家具やオブジェで、アバンギャルドな空間をつくっているというのも、なるべくしてなったことなんでしょうね。
Q 日本でやってみたいプロジェクトってあります?
S 客同士の交流を育むレストランを手がけてみたい。あと種子島で見かけた、廃墟ホテル。あれをリノベしてサーファーホテルをつくれないかなぁ……!(笑)
ロビン(以下R) 初の海外版が日本で、とっても嬉しいわ! 私たちは大の日本好き。アメリカでは美とは「はぎ取られる」ものだけど、日本だと美は「愛でるもの」。知性と美とが共存する日本のような国は、世界中のどこを探してもほかにありません。
スティーヴン(以下S) 日本語はまるで話せないのに、アメリカよりも日本にいるときの方がうまくコミュニケーションできるんだ(笑)。アメリカ人は言葉至上主義だが、日本人はささいな表情やしぐさで心を読み取り合うからね。
Q あなたたちのつくる空間は、さまざまな要素のミックスが魅力のひとつですね。ホテルやレストラン、住宅も。
S 若いころ、自分はパンクだ、いや俺はディスコ派だって周りはスタイルの定義に躍起だったが僕は「パンクディスコ」(笑)。互いに矛盾しようが、どっちもアリでいいじゃないかと。あらゆるモノから選び取る。今もその精神だね。
R 高価なものと、安価なものを混在させるのが好きですね。例えばエースホテルNYのロビー。非常に値の張るソファやスツールの横に、アンティークマーケットで買った15ドルほどの椅子を置いてるんですよ。当初、私たちの提案にオーナーの故アレックス・カルダーウッドは「……マジで?」って。私は彼にコックリとうなずきながら「マジよ」って。(笑)
Q あのロビーにそんな秘密があったとは! 全体から醸し出される独特の風情は、そんな隠れた仕掛けからも来ているんですね。
R あと、振り幅の大きさもR&Wの強みですね。住宅にしても、例えば女優グウィネス・パルトロウの自宅は雲の上を漂うような天国っぽい内装。片や俳優ベン・スティラーのは、男っぽくゴツいインテリア。両者似ても似つかないものに仕上がっています。
Q ヴィンテージ家具やタイムレスな素材を使いながらも、ノスタルジーとは異質の洗練さですね。
S LA出身の僕は、家は建て売り住宅、遊びに行くのはショッピングモールという人工的な世界で育った。だからアメリカのアンティークには懐かしさではなく、新鮮な興味を覚えるんだ。古い建築に対しても郷愁はなく、むしろ外からの視点で味わっているね。
R 私たちはどちらも、ヒッピーな両親に育てられたの。ガチガチに堅実だった彼らの親たち、つまり祖父母への反発だったのね。
Q ローマンとウィリアムスが、そのお祖父さんたちの名前ですね。
R そう。私たちがこうして祖父母の時代を思わせる家具やオブジェで、アバンギャルドな空間をつくっているというのも、なるべくしてなったことなんでしょうね。
Q 日本でやってみたいプロジェクトってあります?
S 客同士の交流を育むレストランを手がけてみたい。あと種子島で見かけた、廃墟ホテル。あれをリノベしてサーファーホテルをつくれないかなぁ……!(笑)