DESIGN
ミラノサローネ2019報告 #1 / ハイライト by Casa BRUTUS
『カーサ ブルータス』2019年7月号より
June 11, 2019 | Design | casabrutus.com | photo_Francesco Dolfo, Akihide Mishima(Anastassiades, Olafur) text_Takahiro Tsuchida, Hisashi Ikai(Louis Poulsen, FENDI), Kaoru Tashiro(Cucchi, Pesce, nendo)
恒例のデザインウィークに沸いた4月のミラノ。モードやアートなどジャンルを超えるのは当たり前、スケールの大きなデザインが今年も街を包みました。まずは今年特に目立っていた展示をデザイナー別に紹介します!
●Space Caviar
多様なクリエイターが各国から集結し、領域を超えてオリジナリティーを競い合う。今年の〈ミラノデザインウィーク〉と、その核になる〈ミラノサローネ国際家具見本市〉は、そんな印象をいっそう強くした。現代美術界のスターによる照明が話題になったり、家具デザイナーがファッションブランドのホームコレクションを手がけたりと、異業種コラボレーションがますます活性化。また新世代のデザイナーを中心に、インスタレーション形式のアーティスティックな展示が増えている。
たとえば名門デザインギャラリーの〈ニルファー〉が、広大な別館〈ニルファー・デポ〉で行った『FAR』は、10組の先鋭的なデザイナーのショーケース。大きな風船を設置し、その中にも家具を展示した構成は、従来の位置づけに収まらないデザインのあり方を象徴していた。ヴィンテージの名作も多く扱うニルファーが、未来志向に舵を切ったのが興味深い。
2010年代最後のミラノデザインウィークには、自由な暮らしを想像させる、たくさんのきっかけがちりばめられていた。
ミラノサローネ国際家具見本市はミラノ近郊の大会場フィエラで開催され、今年の来場者は38万人以上。その最大のニュースはカテゴリーを超えて有力ブランドが集まった新ホール〈S.Project〉だろう。中でも照明ブランド〈フロス〉は、人気デザイナーのマイケル・アナスタシアデスによる新作の美しさが印象的。〈ルイスポールセン〉もアート界からオラファー・エリアソンを初起用して、ひときわ注目されていた。
またフオリサローネと呼ばれる市内各所の展示は、家具以外のブランドも無数に参加してユニークな催しが繰り広げられる。度肝を抜かれたのは、ファッションデザイナーのラフ・シモンズのセンスが炸裂した〈クヴァドラ〉のインスタレーション。ディモーレスタジオやクリスティーナ・チェレスティーノはじめイタリア勢の躍進も目立つ。このカオス感こそミラノの醍醐味だ。
たとえば名門デザインギャラリーの〈ニルファー〉が、広大な別館〈ニルファー・デポ〉で行った『FAR』は、10組の先鋭的なデザイナーのショーケース。大きな風船を設置し、その中にも家具を展示した構成は、従来の位置づけに収まらないデザインのあり方を象徴していた。ヴィンテージの名作も多く扱うニルファーが、未来志向に舵を切ったのが興味深い。
2010年代最後のミラノデザインウィークには、自由な暮らしを想像させる、たくさんのきっかけがちりばめられていた。
ミラノサローネ国際家具見本市はミラノ近郊の大会場フィエラで開催され、今年の来場者は38万人以上。その最大のニュースはカテゴリーを超えて有力ブランドが集まった新ホール〈S.Project〉だろう。中でも照明ブランド〈フロス〉は、人気デザイナーのマイケル・アナスタシアデスによる新作の美しさが印象的。〈ルイスポールセン〉もアート界からオラファー・エリアソンを初起用して、ひときわ注目されていた。
またフオリサローネと呼ばれる市内各所の展示は、家具以外のブランドも無数に参加してユニークな催しが繰り広げられる。度肝を抜かれたのは、ファッションデザイナーのラフ・シモンズのセンスが炸裂した〈クヴァドラ〉のインスタレーション。ディモーレスタジオやクリスティーナ・チェレスティーノはじめイタリア勢の躍進も目立つ。このカオス感こそミラノの醍醐味だ。
●Michael Anastassiades
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