DESIGN
デザインの常識を覆したメンフィスの鮮やかなアートワークが大集合!
May 28, 2019 | Design | casabrutus.com | text_Chiyo Sagae
1980年代、デザイン界に大変革をもたらしたデザイン集団メンフィス。イタリアの巨匠エットレ・ソットサスと若きデザイナーたちが挑んだ、それまでのデザインへの挑戦とは?
ヴィジュアル性の高い独創的な作品や活動でラディカルデザインの先駆者としてイタリアンデザインの評価を高めたエットレ・ソットサスが1981年に創立し、世界各国から若い才能を集めたデザイン集団メンフィス。目指したのは、それ以前の合理性と機能性追求の果てにおとなしくまとまった「優等生」のデザイン規範を打ち破ること。エネルギッシュで本能的な手ごたえのあるデザインを求めた彼らの活動は、80年代を通じて一大デザインムーブメントに発展した。
メンフィスが初めて登場した81年のミラノの展示会では、既存のデザインにはあり得なかった華やかでラディカルな造形や色彩に加え、単なる機能を超えてオブジェそのものの存在感や意味を押し出しデザイン界に衝撃を与えた。生産の合理性に合わせた伝統的なデザインの規律を覆し、視覚的なコミュニケーションによってデザインの可能性を探る彼らの作品は、発表とほぼ同時にイタリアのメーカー〈アルテミド〉から販売され、多くの世界的なヒット商品を生み出している。
メンフィスが初めて登場した81年のミラノの展示会では、既存のデザインにはあり得なかった華やかでラディカルな造形や色彩に加え、単なる機能を超えてオブジェそのものの存在感や意味を押し出しデザイン界に衝撃を与えた。生産の合理性に合わせた伝統的なデザインの規律を覆し、視覚的なコミュニケーションによってデザインの可能性を探る彼らの作品は、発表とほぼ同時にイタリアのメーカー〈アルテミド〉から販売され、多くの世界的なヒット商品を生み出している。
国際色豊かなメンバーの中にボルドー出身のデザイナーがいたこともあり、今回の展示ではその一人が招待キュレーターとして参加し、1981年から1988年のメンフィスの最重要時期のオリジナル作品160点を一挙に展示する。その魅力は、秀逸なデザインコレクターとして知られた亡きカール・ラガーフェルドが1991年の自身のコレクション競売時に残した言葉に集約される。
「メンフィスは『デザイン』という言葉に新しい命を吹き込んだ。全てのメンフィス作品に私が魅了されるのは、彼らのユーモアだ」
「メンフィスは『デザイン』という言葉に新しい命を吹き込んだ。全てのメンフィス作品に私が魅了されるのは、彼らのユーモアだ」
『メンフィス プラスティック・フィールド展』
〈ボルドー装飾芸術とデザイン美術館〉
Musé des Arts décoratif et du Design Bordeaux 39 rue Bouffard 33000 Bordeaux。6月21日~2020年1月5日。11時~18時。火・祝休み。入館料5ユーロ。